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ゆかりside
説得(?)が成功し、既に売ったものは仕方ないと町へ行く事になった。嘘はついてない。GPSがついてて場所がバレそうな精密機器を3台ほど売ったのだから。病院へ行ったことがバレたが、りとさんの怪我ならどのみち行くだろうと思われるので問題はない。売っている時についでに路地裏で軽く物にあたってクズ医者への怒りを抑えた。
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あの野郎りとさんの診察中に気持ち悪い目で見やがって、その上金貨10枚だ?絶対相場じゃないだろ
『勿論五倍ふっかけてます』
『うーんこのクズっぷり』
取引?あぁしたいならしてやるよ。と言ってもりとさんの前でする訳もいかず、さっさと診察室の外まで連れていく。
「さて、取引だけど」
扉から離れ相手が振り替える瞬間に首を掴んで床に打ち付ける。そのまま血でも出してくれれば有り難がったが、そこまでうまく行かないのが自分だ。脂ぎった太い首は掴みにくいが、力強く押さえつける。
「お前あの人がどれだけ苦しんだかもわからないくせになぜこれくらいの事で怖がってるんだ?」
「く、首が,,,しま,,,」
「自分やお前の,,,この程度の体験じゃ、あの人の苦痛の1割にもならないのに、なぜ人の不幸を嘲笑うような行動が取れる。ん?言ってみろよ」
『あのー,,,ゆかり、敬語』
りとさんにさえ聞こえてなければいい。それなら敬語だってはずせる。医者が抵抗のため腕を掴んでくると、一瞬だけ鋭い痛みがあった。良く考えると今掴んでいる手は怪我した方だ傷が開いたのだろう。
「今謝って正当価格にするなら許してやるよ」
「だ、誰がそんなこと,,,」
「君達!なにしてるんだ!」
違う医者がきて、事情説明をしたら先程のクズ医者は連行されていった。手を洗って、傷を隠したが,,,最初に見かけた時にバレていたらしい
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とまぁそんなことがあったが、りとさんには伝えないでおく。要らない情報だろうし。今はちょっと高めのご飯を楽しむとしよう。
『平均価格銀貨4枚が”ちょっと”高め,,,』
「ここ美味しいね」
「他国用のパンフレットにも載るくらい有名らしいです」
「へぇ、だからお客さんが多いのか」
「ライバル店も多そうですね」
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思ったより食事に時間がかかったので、次の国に行くための食料や水等は明日買いに行こう。宿につくと、たまたま通りかかった亭主と軽く話をすることになった。
「夕飯はもう食べてきたの?」
「はい、この国は美味しいお店が多いですね」
「勿論この宿のごはんも美味しいです」
「ありがとうねぇ、2人とも年の差もそうだけど、雰囲気とかも似てるし、姉妹みたいだね」
その言葉を言われたとたん、まずいと感じた。りとさんを見ると、案の定不思議そうな、驚いたような顔をしている。話を手短に終わらせ、部屋に戻る。
『あの様子だと、明日は何か思い出すだろうね』
せめてそれが、あのときの嫌な記憶でないことを願おう。そう思って眠りについた。