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りとside
「姉妹みたいだね」
そう言われたとき、違和感を感じた。ずっと前から聞いていたような懐かしい感覚と、嫌な事を言われたような感覚が混ざりあっている。自分でもよくわからない。こういうのは寝て起きたら忘れているだろう。そう思い眠りについた。
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どこかの廊下を歩いている。話し声が聞こえてきたのでそちらに向かうと、女の子が二人いた。
「ーー、ーー。なにしてるの?」
「りとお姉ちゃん!」
「あのね、もうすぐーーにぃが帰ってくるから、お疲れ様会の準備してるの!」
「へぇ、じゃあーーと一緒にケーキでも作ろうか」
「本当!?やったぁ!」
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そこで目が覚めた。夢の内容が頭から離れない。少し考えたあと、これは記憶だと確信した。夢の人物は私を姉として接していたので亭主の言葉で思い出したのだろう。
「りとさん、おはようございます」
「おはよう、ユカリ,,,あのさ、もしかしたら少し思い出したかもしれない」
ユカリに夢の内容を全て伝えた。ユカリはそれをただ聞いている。
「っていう感じ」
「,,,最初に思い出した記憶が嫌なものでない様で安心しました。残りの記憶も、焦らずに取り戻せたら良いですね」
はぐらかされた。心当たりさえ教えてくれない。多分ユカリは私が聞きたいことを知ってて言うのだ。記憶自体が良いものでも、あの子達と悪い仲にでもなるのか?
明日からの食料を買いに行くため、支度しているユカリを、少し疑いながらも、今の私にはユカリがいなくなったら記憶の手掛かりがなくなるので、記憶を取り戻すまでは何があってもユカリの側にいようと思った。
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店を見ていると、小瓶と小さなポーチが目にはいった。小瓶はどういう事なのか中身の物ををいれた時の状態そのままで何年も保存できる代物らしい。ポーチはそれを入れる物で、腰につけるタイプだ。小瓶の性能がいわく付きの様に思われるらしく、性能のわりに値段も安く、小瓶の数もそこそこある。
「それ、買いますか?」
「あぁいや、ちょっと不思議だなって気になっただけ」
「不思議,,,なるほど、確かにそういう効果は聞いたことありませんね。雪をいれたら溶けなさそうです」
「,,,やっぱり買おうかな。旅の思い出に使いたいし」
「じゃあ自分が」
「さすがに私用目的の物を払わせるわけにはいかないから」
渋々硬貨をしまうユカリは、何故か旅の前も同じようなことがあったような既視感を覚えた。これは思い出したにいれて良いのだろうか。
とりあえず小瓶を4つとポーチを買って、そのまま食料を買い終わり国を出た。今から小瓶に何をいれようか、考えるだけで少し楽しく思える。