交換条件1日目
今日からちょっと変わった1週間が始まる
真夜中の12時に独房に着くように調整してアジトを出る
昨日と同じようにピッキングで鍵を開けて独房に入る
入るとあいつが待っていた
ymd)待ちくたびれた!
tk)言われた時間より早く来たけど?
あと、扉閉めてないからあまり大きな声出さないで
ymd)はよ閉めろや
指図され鉄の重い扉を閉める
完全に閉じ切り話を再開する
tk)これで声はもれないだろ
ymd)まあ一応防音されてるからな
tk)で、何話すの
ymd)んー、決めてない
tk)話題ぐらい用意しとけよ
ymd)うるせえな、なんとかなる思っててん
ちょっとした言い合いで五分以上も時間が過ぎていく
結局、無難にお互いのことを聞くことになった
ymd)じゃあ俺からの質問
tk)答えられない方が多いと思うけどね
ymd)兄弟はおるん?
tk)いない
何なら親もいないようなもん
ymd)親は一応おるって感じか?
tk)…まあそんな感じ
ymd)何で殺し屋やってるん?
tk)親に勝手に入れられた
ymd)そんな簡単に入れるような組織なん?
tk)いや、分かんない
俺が入れられたのは5歳ぐらいのときだし…
あんま昔のことは覚えてないんだよね
ymd)結構長いことやってるんや
tk)まあね
ymd)今何歳?
tk)17
ymd)マジ?俺と一緒やん
tk)なんか意外かも
ymd)俺も年上やと思ってた
tk)人は見かけによらずだな
ymd)確かにな
ただの自己紹介に約1時間費やして話していた
気づけば真夜中の1時を過ぎる頃だった
tk)もう1時間経つぞ
ymd)マジ?
そんな話してたつもりちゃうねんけどなw
tk)じゃあ俺はもう帰るから
ymd)えー、もっと話そうや
tk)今日は帰る
ymd)…分かったわ
気をつけて帰れよ
tk)ん
ymd)あと…
tk)…!
ymd)どうした?
tk)いや、別に何も
ymd)ふーん
tk)…じゃ、また明日
そう言い独房を立ち去った
重く響く鉄の扉が閉まりアジトへと向かう
また明日…
その一言が心に響いた
自分が認められているような…
なんかそんな気がして…
帰る頃には1時半をまわっていた
アジトに帰り自分の部屋へと向かう
疲れた体を癒すためベッドにダイブする
枕に顔を埋めて、今日のことを思い出す
初めて誰かに自分のことを話した日だった
あいつも楽しそうに話していた
気は合わないし苦手な奴
けど、傍にいたら落ち着くような奴
それに…
本当に極悪な囚人なのかを疑うぐらいな奴
今の段階、あいつは優しい奴なんじゃないかと思ってしまっている
ターゲットを殺すまであと6日
コメント
13件
うわああ...めっちゃ好み... いまんとこ1番好きな小説だ... ymtkてえてえ!!最高!!!!
1日たつの早いって、 おかしいよぉぉぉ~~
今日 は ですよね? じゃあ明日はもっと長くいる…ってコト?!🤘( ˙꒳˙ )🤘ヤッタゼ