コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「ねえ、言わなきゃ駄目?」
「当たり前だろ!わかんないって言ったじゃん。」
episode11
あの夜から一晩明け、改めて教えてもらうことにした。
あのとき、どうして泣いていたのか。類さんの言ってた、持ってはいけない感情ってなんなのか。
知りたい。
「お願い。教えて。」
「うぅ…。…///む、無理…。」
「何でだよ。言えないことなのか?」
「そういうわけでは無いけど…。」
「じゃあ教えてよ。」
「だ、だって、心の準備が…!!」
さっきからずっとこの調子だ。
心の準備が…とか、日を改めて…とか。そんなに言いづらいことなのか?別に告白するわけじゃ……
あれ?
『それは笑くんに対してだと思うんだ。違う感情がある気がする。』
『大好きだよ?ショウにゃん。だから、これ以上、触れない。』
『それに、大好きな人と離れるのは嫌。』
『ショウにゃんには俺がいるって伝わるまで、離さないつもり。』
『ショウにゃんがいる。それだけで、僕の疲れは癒しに変わるんだよ。だからさ、甘えてよ。』
あ…れ…?///
い、いやいやいやいや!そんな訳ない!!
類さんの言ってたそれってショウにゃんに対してであって、俺じゃない!!
勘違いするな!後で恥ずかしくなるぞ!!
「…ショウにゃん…///」
「は、はい?」
「…ショウにゃんが中学に上がってからでもいい?…かな…。」
「…え?」
「じゃないと、あ、危ない気がして…!!それに、ちゃんとこの感情を理解しないとだから!!」
もう、確定じゃね!?///
「そ、そっか…。了解。しつこく聞いてごめん…。じゃ、じゃあ、俺宿題してくる…。」
「あ、うん!後でココア持って行くね!」
「うん。ありがとう。」
俺が宿題すると言うと、毎回ココアを持ってきてくれる。
何も言わなくてもだけど…
もし、万が一類さんが俺のこと、好きだとしたら…?
俺は……
ああ、やめだやめ。宿題に集中出来ない…!大体、今さきも言ったろ?類さんが今まで言ってきた言葉は全て俺じゃなくて、ショウにゃんに対してだって。
勘違いするな!!
コンコン
ドアを軽く叩く音。
「はい。」
「今入っても大丈夫?」
類さんはどこか気まずそうに、入ってきた。その手元にはココアが乗ったおぼんがある。
「大丈夫。ありがとう。」
「うん、無理し過ぎないでね。」
類さんはココアを机に置くと、その場を去ろうとした。
「あ、類さん。」
「ん?」
「えっと…やっぱりなんでもない。ありがとう。」
「?…何かあったら遠慮なく言ってね。」
「うん。」
類さんは勉強部屋から出ていった。
何で俺…今…?
✿✿✿✿✿
なんとなく、ショウにゃんと俺の間に、小さな、でも分厚い壁が出来ている気がした。
それは飛び越えられるけど、飛び越えたくない。
ショウにゃんはそう思っているはずだから。
ココアを置いたときもそうだった。俺が部屋に来たとき、いつもとは違う顔をした。
もしかしたら…
「ねぇ、どう思う?」
《知らねーよ。》
電話越しに溢れんばかりの呆れ声が聞こえる
「ショウにゃんって、やっぱり俺の気持ちに気づいてんのかな〜…。あ〜…どーしよー!」
《だから知らねぇって言ってるだろーが!》
「これからどうしよう…。顔合わせられない…!!」
《まだわかんないんだろ?もし相手が気づいてなかったら、相手傷付くかもしんねーじゃん。》
「た、確かに…?」
《俺も忙しいんだよ。じゃあな。》
「え!?ちょっと待っ…!」
俺が声を発っそうとすると、ピー…ピー…という電子音が流れた。
…はあ〜…もう…。
✾✾✾✾✾✾
「よし!終わり〜!疲れた〜!!」
大きく伸びをすると、背中からコキコキと音がした。今日は休みとだけあって、出される宿題の量が多い。
勉強をしているときだけ、集中できる。
「他に考えねえといけないことあんのに。」
温かいココアも飲み干し、少し休憩することにした。
中学…。この辺だとどこかな…。
じーちゃんの墓参り行かねえと…。
あ、その前に花買わないとな。
それから…
そういえば、もうすぐで俺の誕生日だ…。すっかり忘れてー…。
ん?
「あーー!」
机がひっくり返るほど勢いよく立ち、そして勢いよくドアに向かう。
ドアの激しく閉まる音を無視し、急いで廊下を突き進む。
「類さん!!!」
あまりにも焦っている俺を見て、類さんは持っているスマホを止めた。
「ショ、ショウにゃん…?」
そして、類さんの両腕を掴む。
「誕生日!教えて!!」
「………え?」
「誕生日だよ!!もしかして、もう過ぎちゃった?」
「え、えっと…まだだよ?一応…」
「マジ!?はあ〜…良かった〜!」
「てか、今日なんだよね…」
· · ·
は?