『四角関係なんて好きじゃない』〜この気持ちに嘘はつけない〜
1頁 突然の呼び出し。
キーンコーンカーンコーン……。
『はい、今日はここまでだ。
課題ちゃんとやれよ〜。』
『やっと終わった〜。』
この物語の主人公。花澄。
部活は華道部。部長。
ここは2年A組の教室。
私は後ろのロッカーに教科書を詰めていた。
『お疲れ様でした、花澄さん。』
『ユーハン!疲れたね…。まだ水曜日なんだよね〜。あと2日もあるよ〜。』
同じクラスのユーハン。頭も良くて礼儀正しい。部活は茶道部。よく合同で部活をしている。
『ふふ、頑張りましょうね。』
『うん、あ、そうだ。今日の部活華道はオフだから、お茶菓子良ければ食べていいよ。 』
『いいんですか?ありがとうございます。』
『じゃあ私は寮に帰るね。』
『えぇ。お気を付けて。』
私の通う学園は全寮制。
部活の役職ごとに振り分けられている。
第一寮は格闘系の部活に所属している生徒が居る寮。
主に、柔道部、空手部の生徒。だから熱血系の生徒が多い。ほとんど男子みたい。
そして第二寮はスポーツ系の部活に所属している生徒が居る寮。
剣道部、サッカー部、バスケ部、etc…。
第三寮は文化系の部活に所属している生徒が居る寮。
演劇部、茶道部、華道部、etc…。
あ、ちなみに私は第三寮。ユーハンと同じ寮だよ。
『寮に戻ったらお菓子でも作ろうかな〜。
確かキッチンにホットケーキミックスがあったはず。』
『あ、花澄さん!』
『ん、この声は……ベリアン?』
『急にお呼び出てしてすみません。』
3年A組所属。ベリアン。
第三寮の寮長。部活は園芸部。
紅茶の茶葉の調合をしてるらしい。
どちらかと言うとサイエンス部…?
『寮に帰るところでしたか?』
『うん。何か私に用事?』
『えっと…じゅ、16時に屋上に来て欲しいんです。』
『屋上に?』
『はい。話したいことがあるんです。』
『わ、わかった。』
『で、では、待ってます!』
ベリアンは早足で行ってしまった。
(話したいこと?なんだろう……。)
『16時まで後30分ある…。どこかで時間潰すか。』
私は図書室に向かう。
『あ、読みたかった新刊出てる。 』
『こんにちは、花澄さん。珍しいですね
読書ですか?』
『フェネス!』
3年B組所属。フェネス。第二寮。部活は剣道部、副部長。
『実はこの後ベリアンに呼ばれてるんだけど、それまで時間あるから読書でもしようかなって。』
『ベリアンさんに?』
『うん。なんか話したいことがあるんだって。』
『そうなんですね…。』
『あ、ねぇねぇ。この間貸してくれた本面白かったよ。』
『ほんとですか!実はこれもオススメで…。』
『どれどれ…。』
と、フェネスの話に夢中になっていた時だった。
廊下をバタバタと走る音がする。
『あ、いた!花澄さん!』
『探したぞ。』
『ロノ、バスティン!?』
『2人とも図書室ではしー。』
1年C組所属の2人。ロノは第三寮。部活は調理部。バスティンは第二寮。部活は剣道部だ。
『す、すみませんフェネスさん。』
『花澄さんに用があるんだ。』
『私?』
『『16時に屋上に来てください!\来て欲しい。』』
『え?2人とも…?』
『おいバスティン邪魔すんな。』
『それはこっちのセリフだ。』
(2人も屋上に私を…?)
『と、とにかく待ってますから!』
2人はそそくさと行ってしまう。
『???』
『花澄さんベリアンさんにも呼び出されたんですよね?』
『う、うん。私…何かしたかな?あの3人に。』
『えっと……。』
『鈍いなぁ、花澄。 』
『鈍いっすねぇ。』
『わっ!』
ボスキが私の頭に腕を乗せる。
アモンが〇ュッパ〇ャップスを咥えながら
話に入ってくる。
『ちょっとアモン、飲食禁止だから…』
『司書がいないんだから見逃せよ、フェネス。』
『もう……。』
1年A組所属。アモン。第三寮。部活は園芸部。
3年B組所属。ボスキ。第二寮。部活は剣道部。
『ボスキ、鈍いってどういうこと?』
『あ?あぁ。屋上に呼び出すってことはそれなりに理由はある。まぁ1個しか思いつかねぇが。』
『そうっすね。折り入って話をするなら夕方の誰もいない屋上に誘う理由は1つっす。』
『だからそれが分からないんだって教えてよ〜。』
『花澄さんったらほんとーに鈍いんすねぇ。』
『?』
『まぁ、行ってからのお楽しみってやつっすね。結果を楽しみにしておくっすよ〜。』
2人は私に手を振り去っていく。
『…フェネス、分かる?』
『……。』
俺は本で顔を隠した。
そして、私は屋上へ向かった。
疑問を抱えながら……。
次回
第2頁 唐突な告白。
コメント
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楽しみにしてた! 主人公ちゃん....鈍感... でもそこがいい! 続きが楽しみ!