テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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🐝🤣総受け【2434】

第13話 - 💡×🐝🤣 少女レイ軸

384

2025年02月17日

#njsj

#hbc

#めちゃつえー

さ×10

rimn

少女レイ軸

過度な捏造

いじめの要素があります

なんでもありな人向け

ーーー

🐝🤣Side

7月上旬。梅雨明けの蒸し暑い教室を換気する。教室はうるさいくらい賑わっていた。

先生の気だるそうな声が響きぞろぞろと席に着く。俺の席は窓側の1番後ろ。

俺はいつものように外を眺める。三階の端っこの教室で、この席からは海が見えて少し優越な気分になれる。目で海鳥を追った。

そんな俺に、神様からのちょっとのプレゼント。

「えー、今日は転校生が来ます。」

「先生ー！男子ですか？女子ですかー？！」

「男子男子」

「ちぇ〜、男子か〜…」

「イケメンだといいな」

「はいはい、いいから。はい、入ってきて〜」

ガラガラッと音を立てて開く扉をぼーっと見つめた。

正直言ってクラスに友達が居ない俺からしたらどうでもいい事なのだが、やはり本能は気になるようで。

「初めまして！伊波ライって言います。よろしくお願いします」

伊波は改まってお辞儀をした。マゼンタ色の瞳に暗めの髪の毛、黄緑色の前髪。学校指定の半袖シャツがよく似合っていた。

「じゃあ、えー…緋八の隣、あそこ」

「はい」

「…」

「よろしくね。えーっと…緋八くん」

伊波は名札を見るなりニコッと微笑んだ。

俺は少し会釈をし外を見る。どうせ、仲良くなんてなれない。

_休み時間

「緋八くん、こっち」

「え」

チャイムがなった瞬間伊波に手を引かれ教室を出る。突然の事で理解が追いつかない。

気づいた時には屋上へ続く階段の踊り場に居た。

「いやさー、せっかく隣の席だし仲良くしたくって！あと転校生の一番最初の休み時間って囲まれがちじゃん？でも2人で話したいから連れてきちゃった。ごめんね」

「はぁ…」

「オレのことはライって呼んで！ねぇ、下の名前、なんて言うの？」

「マナ。…えっと、..」

「マナ！マナかぁ、…ふーん、よろしくね！」

にっこりと笑って半ば無理やり握手するライ。なんか、距離近ない…？

それからは好きな食べ物やら嫌いなものやらを話して教室へ戻った。

_1時間目

「ねぇ、マナ」

コソコソっとライが机を引きずりながら近寄ってくる。

「オレ、転校初日で教科書ないの。だからマナの見してくれない？おねがい！」

「まぁ、ええけど..」

机をピッタリとくっつけ小声で話す。

周りの人からしたら他愛のない事でも、友達の居ない俺にとっては少し嬉しい事だった。

_休み時間

「伊波くん！ねぇねぇ、どっから来たの？」

「伊波ー、趣味とかある？気になる！」

「えっとねー、元々..」

案の定席は囲まれ、廊下からも同級生が覗いている。

ライが一つ一つ丁寧に答えている横で、俺は逃げ場もなくただ外を眺めることしか出来なかった。

それから数日経ち、伊波はクラスにも馴染んでいって気づけば中心的人物になっていた。

授業中も前の席の人と話していたり、移動教室も大人数に囲まれながら行っている。

が、登下校の時とご飯の時は違った。

いつも、誰かに誘われても断って2人で他愛もない話をしながら登下校したりご飯を食べる。

それだけで、生きていける気がした。

事件は7月も中盤に差し掛かってきた時に起こった。

「今日小テストじゃなかった？」

「うわ、ほんとじゃん、嫌だな〜」

「あはは！まぁ憂うつになるよな。」

「ね〜。テストとか無くなればいいのに。….あ、マナ」

「ん？」

「マナさ、トイレとか行っといたほうがいいんじゃない？」

「え？なんで？」

「いや、うーん…あっ、ほら、1時間目体育じゃん。着替えで時間ないでしょ？」

「あー…たしかに、..ほな行ってくるわ」

「うん。オレ先教室行ってるから！行ってらっしゃい」

「ういー」

何故急に…？と疑問はあるものの理由に納得し用を済ます。

教室に入ると騒がしく、俺の机の周りに集まっている。

いや、どちらかと言うと、ライの、

「マナ」

「…ライ？」

ライが俺に気づいたのかハッとして俺の目を見る。ライは泣きそうになっていて、俺はなんとなく、目を逸らした。

逸らした先には、花瓶に入れられたユリの花。

「え…？」

大袈裟に机を囲っている生徒たちは皆同情の声をあげる。俺は困惑しながらもこっそり花瓶を手に取り花を捨てに行った。

俺に出来るのは、きっとこれしかない。

花瓶を持って教室を出る。丁寧に水まで入っていて、重たかった。

「…」

ユリの花がやけに美しく見えた。こんなの、捨てるなんて出来ない。

俺は人気のない水道の端っこに花瓶ごと置いた。まるで最初からあったのかのように。

教室に入ろうたした。が、クラスの中から聞こえてくる話し声を聞いて固まるしか無かった。

「あの花瓶、置いたの緋八さんなんでしょ？」

「え？そうなの？なんで？」

「ほんとほんと。聞いたの。なんか毎日ご飯食べてたり登下校一緒にいるじゃん、あの二人。でも伊波くんが人気者だから嫉妬したんだよ。」

「うわ、そうなんだ…ヤバw」

「ね、伊波くんもあんな人とよく話せるね。」

違う、俺は何もしてない。

ただただ、立ちすくむことしか出来なかった。

その日はずっと何をしても上の空だった

_次の日

「ライ、その…無理に、行かなくっても…」

「いや、大丈夫…マナとなら、行ける」

ライは深呼吸をして扉を開ける。

机の上には花瓶があった。ライの机ではなく、俺の机に。

「え…？な、なんで、俺の、…」

「…」

足が棒になったかのように動けない。周りが暗い。やけに自分の鼓動がうるさかった

「マナ、ごめん、オレのせいで、マナが… で、でも、オレはずっとマナの味方だから、絶対」

ハッとしたようにライが俺の手を握り目を見て言う。

ライの手は、驚くほど冷たかった

それから俺のいじめは無くならなかった。それどころか、どれもエスカレートしていって。

先生もクラスメイトも見て見ぬふりをしていた。

けど、ライは違った

いつも、一緒に真剣に向き合ってくれた。

今思えば、俺はこの時から好きだったのだろう。

_夏休み、某日

「…あっ、マナ！こっちこっち！」

「ライ！ほんまごめん、お待たせ！」

「今来たとこだよ、オレも。ね、行こ！」

貝殻つなぎをして歩く。

今日は2人で水族館に来た。俺は友達と遊ぶこと自体初めてで、ずっとドキドキしていた。

「あ、ねぇみてこの魚、マナみたい。かわいい〜」

「ほんまや！色が似てる」

「うわっ、寿司うま〜」

「水族館で寿司食うん…？」

「すごい、きれ、…デッッッカ？！」

「え？どこ？…デッッッカ！！！！」

「はぁ〜、もう終わっちゃった〜」

「な〜。めっちゃ綺麗やったわ！」

色んなことを話して、色んなものを写真に収めた。せっかくなのでツーショットを撮りたかったけど声のかけ方がイマイチ分からずライの後ろ姿と俺の自撮りの謎写真が出来てしまったが…

「あっ、ねぇマナ、見て。貝殻のキーホルダー！お揃いにしない？これ」

「お揃い、…ええよ！もちろん」

「やった〜！はい、マナは水色ね。オレ黄緑！」

「無くさないでね、お揃いのキーホルダー」

_夏休み明け

楽しかった夏休みも過ぎて。憂うつな学校が始まる

席替えもしてしまってライとは席が離れてしまった。

「ねぇマナ、ほんとに先生に言わないの？こんなの、立派ないじめだよ….」

「いや、ええの、べつにクラスも変わったらすぐ終わるやろうし、多分」

朝、誰もいない教室。俺とライ俺の机に書いてある落書きを消していた。

なんというか、最近、いじめが更にエスカレートして言ってる気がする

花瓶は序の口、机に落書きされたり、上履きに画鋲を入れられたり、ノートが破られてたり…。机の中にセミが入っていた時は地獄を見た。

「でも、辛くなったらちゃんとオレには言いなね？オレはマナの味方だから」

「…うん」

_進級後、5月

ライとは同じクラスだった。

クラスメイトは変わったが、それでもいじめは収まらなかった。

_昼放課

屋上へ続く階段の踊り場。

「はぁ、…」

「なに、どうしたの？こんなとこで、ため息なんてついて」

上から声がし思わず顔をあげる。そこにはライが居た。逆光で表情が伺えない。

「…いや、その…いつまで、続くんやろなって」

「…」

ライは何も答えない。何も言わず、俺の隣に座った。

「大丈夫だよ、いつか終わるって。オレも居るし。オレだけは、信用しててね」

「…」

ライはそう言って俺の手を握った。

_放課後

帰る準備をしようとし、リュックサックを手に取る。

「…無い」

「うぇ？なにが？」

「貝殻のキーホルダー、…お揃いのやつ」

「え、..」

リュックサックに着けていたキーホルダーが無くなっていた。

ボールチェーンにテープまで付けて取れないようにしていたのに。

「オレ、皆に声掛けてみるよ！探せば絶対あるはず。朝にはあったよね？」

「…や、俺が声かけるから、ライは床とか落ちてないか探してて。」

「…マナ？」

「ライは、俺だけ見とってよ、」

ハッとした。気づいたらライの肩を掴んでいた。手が震える。

ライは、友達。

「…やっぱなんでもない、ごめんな？わざわざ」

「…？うん」

ライはそう言った後こっちを見ずに教室を出た。

ーーーーー

💡side

7月上旬。初めて君を見た。

蜂蜜色のサラサラとした髪に空色のメッシュ。

君は、オレなんか興味無さそうに外を眺めていた。

偶然、隣の席になった。

運命かも、って思った。

挨拶をする。君は軽く会釈をしそっぽを向いた。

話していくうちにあ、好きかも、って思った。俗に言う、一目惚れ。

全部オレの物にしたくって、オレは君をいじめる事にした

最初はオレの机に花瓶を置いてオレがいじめの標的と見せかける。

そして次にマナの机に花瓶を置いた。

オレは傍から見れば被害者で、だれもオレを疑わない。

夏休み。

今日はマナと水族館に行った。

目を輝かせながら水槽を見るマナの横顔をずっと見ていた。

時は進んで、5月。

今日は昼放課のマナが居ないうちにこっそりマナとお揃いのキーホルダーを取った。

「…無い」

「うぇ？なにが？」

「貝殻のキーホルダー、…お揃いのやつ」

「え、..｣

オレはいつものようにとぼける。キーホルダーを握っている手を無造作にポッケに突っ込んだ。

「オレ、皆に声掛けてみるよ！探せば絶対あるはず。朝にはあったよね？」

「…や、俺が声かけるから、ライは床とか落ちてないか探してて。」

「…マナ？」

「ライは、俺だけ見とってよ、」

ゾクッとする。マナが、オレのことを、

正直なんて返事したのかとか、マナがどんな顔をしていたとかどうでもよかった。

「…♡」

人気のない場所へ行き壁にもたれ掛かるように座る。縮こまるように自身の肩をギュッと抱きしめると先程の感覚が蘇ってきてまたゾクゾクした。

「…！」

ハッとする。何をしているんだ、自分は

マナは友達なんだから。

ポッケに入れたキーホルダーを取り出して教室に戻った。

「マナ！あったよ、キーホルダー！廊下に落ちてた」

「え？ほんま？！….うわ、良かった、…ありがとう」

心底嬉しそうに微笑むマナ。オレも釣られて笑う。

「…ねぇ、マナ放課後さ、海行こうよ」

「海？そんな、急やな…俺泳がれへんけど」

「海水浴しに行くわけじゃないって！ね？行こ？」

「うーん..まぁ、..」

「やった！ほら、早く！」

オレが急かすように廊下へ走るとマナは急いでキーホルダーをリュックにしまって教室を出た。

「いやー、いい天気〜」

「な〜」

青空の下、他愛もない話をする。オレが無言でマナと恋人繋ぎすると、マナも驚いたがぎゅっと握ってくれた。

暫く歩いて、オレは踏切の中で立ち止まった。

「？、ライ？」

マナは不思議そうにオレを見る。オレはマナから目線を外さない。

遮断機の音が響く。

「ちょ、ライ！」

マナは迷いもなく下りてくる遮断機をくぐって踏切の中へ入ってきた。オレはそのマナほ手を掴んで、マナを地面に押し倒した。

「ライ、」

「ねぇマナ。去年のさ、覚えてる？オレの机に花瓶置いてあったの。あれ、やったのオレだよ」

マナは心底驚いたような顔をした。オレはそんなマナを押さえるように恋人繋をした。

「マナの机に花瓶置いたり、落書きしたり、画鋲入れたり、あとキーホルダー取ったのも全部オレ」

「ねぇマナ、好き。大好きだよ、ずっと。大好き。」

ーーーーー

🐝🤣side

本当は全部気づいていた。

始めに気づいたのは俺の机に花瓶が置かれていた時。

朝、待ち合わせ場所で走ってきた方向が学校からだったし、手を握られた時夏なのに異様に冷たかったので察した。

ずっと、見て見ぬフリをしていた。

自分で書いた落書きを自分で消して、自分で入れた画鋲を自分で元の場所に戻す。

全部、ライが俺のためにしてくれていたこと。

本当に、惨めで、ただただ可愛かった。

だからこそ、踏切の中でカミングアウトされた時は心底驚いた。

え、言うんや。とも思ったしバレてないとでも思っていたのだろうか。

「ねぇマナ、好き。大好きだよ、ずっと。大好き。」

電車が走ってくる音が近ずいてくる。

「ライ」

繋いだ手は離さない

「俺も、」

言いかけた時、鈍い音が響いた。

この作品はいかがでしたか？

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ほんとにこれ一日で何回みたかわかんない大好きです😭😭😭😭😭😭

さ×10

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電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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