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「全員やられるぞ…!」透が息を切らしながら呟く。PCV-225の呪詛は恐ろしく強大で、部隊全体を圧倒していた。
「無意味だ。」PCV-225が冷ややかに言い放つ。「僕の術式『無限残響』に囚われた以上、君たちは何をしても無駄だよ。」
PCV-225の術式は、空間全体を支配し、時間と音を自在に操るものだった。攻撃を放っても、術式に捕らわれた瞬間、その響きが無限に反響し、永遠に繰り返されてしまう。その結果、効果を発揮しない。
「どうする…?これじゃあ…」百鬼が苦しげに声を上げる。朱音や透も全力を尽くしていたが、彼らの攻撃は無効化されていた。
そんな中、部隊の希望として白川が前に出る。彼は相変わらず、面倒くさそうな表情を浮かべ、部隊には一切興味を示さない。
「お前ら、無能だな。」白川はニヤリと笑いながら、厳しい一言を吐き捨てる。「対抗できるのは、結局俺しかいないってわけか。」
「今はそんなこと言ってる場合じゃ…」朱音が怒りを抑えながら言おうとするが、無視してPCV-225に向かう。
「別にお前らの助けなんていらないよ。俺一人で十分だ。」
「君が最後の希望というわけか?」PCV-225が白川に興味を示す。「だが、僕の術式を理解せずに立ち向かうとは、愚かだな。」
白川は肩をすくめ、「理解する必要なんてないだろ、雑魚を倒すのに。時間の無駄だ。」と挑発的に返す。
PCV-225は不快そうに顔を歪める。「ならば、君も飲み込まれるがいい!」
PCV-225は再び『無限残響』を発動させ、空間が歪み始める。白川の姿も反響に囚われ、攻撃が封じられるかに見えたが、次の瞬間、白川はため息をついた。
「こんな術式、くだらねぇな。」白川が手を軽く振ると、反響する空間が一瞬で静まり返る。
「なっ…!?僕の術式が…!?」PCV-225が驚愕する。
「お前、何が無限だよ。大したことない。」白川は無表情で言い放ち、次の瞬間、掌から放たれた呪力がPCV-225を包み込んだ。
「ふざけた力にふさわしい、安っぽい最期だな。」
一瞬にしてPCV-225の術式は破壊され、彼の体が呪力に押し潰されるように消滅していった。
戦いが終わり、特別部隊のメンバーたちはようやく息をつく。しかし、白川の態度は相変わらずだった。
「はぁ、俺が片付ける羽目になるなんてさ。少しは役に立てよな。」白川はあくびをしながら、メンバーたちに毒舌を浴びせる。
「本当に性格悪いな…」透が呆れ顔で言う。
「まあ、最強だな。」朱音が小さく笑いながら同意する。
「白川さん、いつもありがとうございます。」百鬼が謙虚に頭を下げるが、白川はそれを無視して歩き去った。
「さ、次は呪詛の王をどう倒すかだな。お前ら、足引っ張んなよ。」そう言い残し、白川は一人でどこかに去って行った。