ー朝ー
「おはよう、マッシュくん」
“おはよう”
身支度を整え外に出かける。
今日は先生から許可を貰い、ストレス緩和のためにイーストン内にある庭でピクニック的なものをすることになった。
もちろん、いつものメンバーも。
「大丈夫か、マッシュ」
「そうですよ!フィンくんから聞きました!」
“大丈夫、嫌な夢見ただけだから”
淡々と文字を見せるマッシュに、心を締め付けられるような思いを感じながら、ドットは紅茶をいれ、レモンはシートをひき、ランスは妹グッズを揃え、フィンはマッシュを連れてシートに促す。
マッシュはメモにこんなことを書く。
“シュークリームパーチー、久しぶりだからたくさん作ってきた。たくさん食べてね”
確かに、久しぶりだったなと思いながら、フィン達はマッシュが持ってきた手作りシュークリームを頬張る。
「うんめぇ〜」
「美味しいね」
「さすがですマッシュくん!」
「…(もぐもぐ」
“僕の自慢のシュークリームですから”
後ろからドヤァという効果音が聞こえてきそうなほど、胸を張りどや顔でメモを見せてきたマッシュ。
「最近じゃ普通の店のシュークリームだと物足りねぇもんな」
「マッシュのせいで舌が肥えた。」
「シュークリーム舌…」
と、マッシュのシュークリームを褒める声が次々上がるなか、レモンが口を開く。
「実は、もう1人誘った人がいるんです」
皆の頭に?が浮かぶ。
ただし、フィンだけは感じ取れたようだ。
「マッシュくん!レインさんをお呼びしましたよ!」
「!」
レイン、という名を聞いて、ほんの少しだけ顔が明るくなったマッシュを見て、やはり恋人のちからは凄いと思った。
「済まない、ウサギの世話があって少々遅れた…..これは、ピクニックか何かか?」
そう質問をするレインに対し、マッシュは
“シュークリームパーチーです”
と、機嫌が良さそうに文字で答えた。
すると、レインがある異変に気づく。
「…マッシュ、目が腫れてるぞ…泣いたのか、?」
そう言った瞬間、場の雰囲気が冷たくなる。マッシュも驚いて固まってしまったようだ。なにせ泣いた原因が聞いてきたレイン本人だと、流石に言いづらい。
だがそんなことはつゆ知らず、レインはグイグイとマッシュにとう。
「何か嫌なことがあったのか、ストレスの表れか?大丈夫なのか、」
フィン達がどう返そうか、どう誤魔化そうか考えていたとき、マッシュが答えた。
“悪い夢を見てびっくりしただけです、大丈夫です。”
メモを見せながらシュークリームを頬張るマッシュ、平然としているように見えるが少々手が震えている。
そんなマッシュにレインは言った。
「…言いたくないのなら強制はしないが、あまり溜め込むなよ、お前は1人じゃない」
それを聞いたマッシュは一瞬目を見開いてから、コクリと大きく頷いた。
その光景を見ていたフィン達は、いつレイン自身が原因だと言おうか、はたまた隠し通すか、迷っていた…。
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