やぁ!
続きだよん
では、!
ドサッ…
昨日は余程疲れていたのだろう。
特別予定もなく、ただ気の向くまま過ごしていたら
もう夕陽が仕事を始めたらしい。
ナチス「……はぁ…」
無意識に漏れた吐息は、
昨日の夢のようだった出来事を思い出させた。
ナチス「……」
お前は誰なんだ…いったい、?
あのときから今まで、静かに微笑んだ彼の表情が頭から離れなかった。
自身を凌駕する程の実力を持ちながら、あれ程まで非力な見た目をしているのが不思議でたまらない。
非力…いや、
細身で小柄だ。
ナチス「………」
そっと窓を見ると、同時にあのときの彼女の声すら蘇ってきたような気がした。
ナチス「くそ…ッ、」
どうしてこんなにも不思議に思うんだ?
同じくサラリと靡いていた黒髪に、ルビーのような赤い瞳。
どちらも細身で容姿端麗だ。
…
??「正直でいればいいよ」
…
…
??「…ありがとう、」
大切にする。、笑
ニコッ
…
ナチス「自分で正直であればいい…か、」
どうしてだろうか?
俺が持っているこのピアスの傍らは、彼女の手にあり
それほど身近なはずなのに。
どこか遠い。
…
日帝「……ぁ…、」
起床してから時間が経ち、もう日が暮れたというのに
昨晩泣いたのにも関わらず顔も冷やさず寝てしまったからだろうか。
目元が少し赤く浮腫んでいる気がする。
日帝「まぁ……これぐらい大丈夫か。」
今日は久しぶりに髪を解いてみようと思う。
引き出しからピアスを出し、片耳に付けた。
コツッコツッ……
…
「…〜でさ〜、ホントあいつってばよ笑笑」
「お母さん、あとはなに買うの?」
「…、ほら、人が多いんだから手、離さないでね。、もう少しだから。笑」
ザワザワ…
ピタッ…
日帝「…………」
この前のアンティーク店の向かいの路地に、なにやら人集りが出来ているようだ。
まだ日が暮れたと言っても繁華街は賑わっていて騒がしいので、
どうせよくある事だ、煙草でも吹かしながら金の賭け合いでもしているのだろう。
日帝「ふん、……ギャンブルなにが楽しいのか。…」
相変わらず彼にあったアンティーク店は同じ店主が同じような掛け声で顧客を集めていた。
そういえば、彼は何故私に金を叩いたんだろうか。
あのピアスはもう並んでいないが、
他の商品は銀貨10枚ほど必要な物ばかりだ。
きっと、これも高かっただろうな。
…
いいや。
昨日話してわかっただろう、彼は気まぐれな性格なのだ。
…
日帝「……」
ピアスに触れると、彼の頬に触れているような感覚になる。
愛している人に、愛されなかった私は
愛し方すら知らない。
日帝「……、」
ダメだ…こんな…
こんな所で泣いちゃダメだ…ッ、
「才能なんかどうでもいいのよ…”!!、」
どうして貴方は…ッ、
“お母さんを苦しめるの”…?”泣
日帝「違う……ッ、」
まただ。
胸が締め付けられ、身体が動く事を拒んだ。
日帝「……ッッ、…はぁっ、」(泣
息をするのもやっとで、
急いで呼吸を整えようと深呼吸をしようとするが、入り交じる感情が邪魔をした。
ナチス「………、!」
ピタッ
十字のピアスを付け、長い黒髪で顔を隠すように俯いている女性。
沢山の人々が行き交う通りで、1人佇んでいるその後ろ姿は、
どこか悲しげで、惨めだった。
ナチス「………」
俺は自身を偽りはしない。、
日帝「………ダメだ…ッ、」
泣いちゃ…ダメ…、笑 ポロポロ
……
「才能を持っているお前の気持ちは分からない。」
日帝「……ッ、…は……、」泣
どうして。
今あの人のことを”…っ、
グイッ
日帝「………ぇ、。 “ッ」泣
肩を掴まれた気がして、涙目な顔なんて他所に素早く振り向いた。
バッ!
日帝「……」ビクッ
ぁ…、、
ナチス「見覚えのある後ろ姿だと思ったら」
こんな所で…なにしてるんだよ。、
高圧的な低音だが、どこか暖かみと優しさを感じた。
少し顔が引き攣っているのは、彼なりの慈悲だろうか。
日帝「………」
…ッ、(ポロポロ
……笑
あぁ…、笑
この前の…ピアスの…、
目を擦り、必死に笑顔になる。
今、彼にどんな顔で合えば良いか分からなかったんだ。
ナチス「……」
赤く腫れた目元と頬
それとは裏腹のわざとらしい笑顔。
日帝「ごめんね、せっかく…声掛けてもらったのに…、笑」
私、帰るから、
フラッ
ナチス「待て。」
日帝「、」ビクッ
ナチス「…、」
俺と会うのはここ以来じゃないよな。
そう言って、彼女の腕を掴んだ。
日帝「…ッッ!!」
数秒、彼女の表情は変わらず
ただその小さくなった瞳孔で俺を見つめていた。
日帝「………」
…やだ…な。笑
そんな…ッ!
ナチス「……」
……何故隠すんだ?
どうして、
わざわざ別人に成り変わって…
バシッ!!
ナチス「は、…ッ」
その白く、今にも折れてしまいそうな彼女の腕は、
俺の手を瞬時に振りほどいた。
…
日帝「ッ……ぁ、、」
自分でも何が起きたか理解できなかった。
私は彼の手を振りほどいて、
日帝「………ッ、」
……弁明なんて、しない…
ごめん、なさい
…
そう呟き、こちらを哀れむように見詰める彼女は
花びらのように飛んでいってしまいそうな気がした。
ナチス「…また会ったら、他愛もない話をしよう。」
日帝「……ッ」ピクッ
ナチス「なら最後に」
その”約束”だけ果たさないか。
今、彼女を放せば二度と会えないと思った。
ただ闇雲にそう言ってしまった。
日帝「……」
分かった。…
彼がなにを問い詰めてくるか等知っていながら、私は彼を拒めはしなかった。
彼と話す機会くらい、正直でありたかった。
大通りから少し外れた通り
私より彼はこの街に慣れているのだろう。
どこに向かっているのかは知らないが、取り敢えず思いつく限りの返答を頭の中で用意している。
ナチス「…」
以前の俺であれば、隣の彼女の違う面、いや
違う顔を想像することすら出来なかっただろうな。
ナチス「…なぁ。」
そういえば、名前を聞いていなかった。
日帝「…、
……大日本…、いや」
日帝。
ナチス「そうか。」
今まで散々世間話をしておきながら、
肝心の名前はお互い知らなかった事が逆に不思議だ。
まぁ、お互いあえて聞かなかかったのかもしれない。
ナチス「ナチスだ。」
俺は。
日帝「……」
、ナチス。
そっか。笑
諦めたような表情を浮かべ、
少し微笑んだ彼女。
どうも、すぐ顔に出るのは癖らしい。
日帝「…、」
どこに向かっているのか、聞いてもいい?
ナチス「……」
俺が、落ち着きたいときによく行く場所。
日帝。
俺の気分転換に付き合ってくれ。
一瞬、私を見詰め
すぐ視線を前に戻し歩き始める。
相変わらずなにを考えているのか分からないのは彼のアイデンティティなのか。
日帝「おかしい人だね、……ナチスは」
私、君に聞きたいんだ。
自分に…剣の才能があれば良かったと思うか。
ちなみに私はこの才能があって良かったなんて思ったことは無いし、
いや、どちらにせよなにも変わらなかったのかもしれないけど。
ナチス「………俺はお前が羨ましい。」
昨晩、自身のことが好きかと俺に聞いたが、
お前は嫌いなのか。
日帝「……!」
…
君と同じ、かな。
分からないよ。
ナチス「……
日帝「……そうだ、」
さっきは急に手、振りほどいてごめんね
動揺してて、つい、
ナチス「……気にしないでくれ。」
はい、待て待て
なんかめっちゃ長くなってるぞ
ということで、3話では飽き足らず、5話でも完結できませんでした。
反省してます…
5話はこれで区切るんですが
今日中に完結まで出します!!((本当に!!
今日完結の5話を書くつもりでなんかモヤモヤするので
という事で、いいね待ってます🙃
そして今日中に更新される最終話も是非いいねください((調子乗るな
では!
🙇♂️
コメント
8件
♡沢山おしたいのにインストールしてないからできないッ!
好きすぎて♡1000はとりあえず押した!あとは任せた!