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またあの夢だ。ゆっくりと落ちていく感覚。 なにかの狭間の中でただ意識だけがここにある。そして突然、嵐のように空間が激しくなり何かがおかしくなる。
「……はっ!」
目が覚める。ここは昨日、直樹達がたどり着いた避難場所だ。あれから夜が明けた。昨日の出来事は夢ではく現実。隣を見ると拓海が寝ていた。
いつの間にかスマホの電源がついてる事に気づき手に取る。
《次段階侵攻まで:54時間》
このアプリはなんなんだ?何故異世界の情報がわかる?
寒い。俺は毛布を頭まで被り寝転んだ。外は風が吹き荒れていて、冷たい風が流れ込んでくる。
(いつまでここにいればいいんだ?)
助けが来る気配はない。俺は強く毛布を握った。
「この世界は異世界から侵略されてるんだと思う」
三人は直樹の話を真剣に聞く。
「異世界ってファンタジー世界のことか?」
拓海が言った。
「…たぶん」
「根拠は?なにか理由があるんだろ?」
佐久間が不満そうに言った。
根拠?そんなこと言われても分からない。どこからか来た直感のようなものがそう俺に教える。
「でも、別の世界から来たのは間違いないよね?」
里奈がそう言うが佐久間の考え方は違った。
「もしかしたらこの世界の神って可能性もあるぞ?襲ってきた奴らは眷属とか。あの腕は悪魔のなのかもしれない」
佐久間は異世界という存在を小馬鹿にするように言った。
「確かにそうなのかもしれない…。でも、あの人は助けてって言ってた……!」
あの路地で聞こえた声は確かにそう聞こえた。俺たちを襲った人が助けを求めたということは一つの可能性が見えてくる。
「……つまり誰かに操られてるってことか」
もし異世界が襲ってきたのなら、操られているのは異世界人ということになる。異世界で人を操るような非道な行動をするのはあの存在しかいない。
「……魔王だ」
直樹はそう直感した。魔王に支配された異世界が今度はこの世界、地球を支配しに来るのだった。
その瞬間、全身の皮膚が凍えるような冷たい風が吹き付ける。視界の端が暗くなり、耳鳴りがし始める。そしてスマホから警告音のような音が鳴り響く。
「うるさいなぁ、早く止めろ!」
避難場所にいる人が音に苛立っている。
次の瞬間、悲鳴が聞こえた。
「なんだ!?」
「エントランスホールからだ!」
直樹たちはエントランスホールに向かって走った。あの金属音が頭から離れない。エントランスホールには沢山の人が集まっていた。全員血の気が引いた顔で外を見ている。 そこには操られた異世界人と異世界のモンスターがいた。
──そして異様な悪寒の正体、清水寺に現れた黒い鎧を纏った騎士がいた。
コメント
1件
うわ、第5話、一気に緊張感が跳ね上がりましたね…!「次段階侵攻まで54時間」というカウントダウンがもう息苦しい。直樹が「魔王」という言葉に辿り着く流れ、直感と論理が混ざり合っててすごく自然でした。そして最後の清水寺の黒騎士…あの悪寒、ゾッとしました。次が気になりすぎます!