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「なにしてもつまんない…か」
寧々さんに言ったってどうにもならないこと知ってるのに。
「ーまあ、それは私が思ってるだけなので。」
「…そういうこともあるよね」
同情してきた。予想外だった。
「でも、私は小羽ちゃんにこのひと時を楽しいって思って貰えるように、なって欲しいな」
途切れ途切れに虚ろな目で話す寧々さんは、何処か違和感があったような気がする。
帰り道。
「ー小説が好きなんだ!誰とかある?」
「○○△△さんですかね。」
「私もその作家さん好き…!」
どうやら同じ小説好きらしい
「私は”月の明かりに満たされて”が好きなんだよね〜もう10回ぐらい読んだかな」
“月の明かりに満たされて”は主人公が記憶喪失の状態から始まって、どんどん明かされていく真実に読者が目を離せなくなる作品だ。
「ー私も、読んでました。昔。」
「ホントに…!?近頃実写化の映画が出るからその時一緒にどうかな…なんて」
出掛け…か。嫌なわけじゃないけど…頭が痛くなる。やっぱり断ー
ーもし私に、友達がいたなら、小説の話で盛り上がってたのかな。ー
「……うん、いいよ。」
気づいたらそう言っていた。
「ほんと…!嬉しい!!じゃあ今度の土曜とかどう…?」
「大丈夫です。」
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