テラーノベル
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六月、梅雨。蒸し暑い教室。数学教師は黒板に無意味に長い公式を並べてる。誰もまともに聞いちゃいない。
『おい、松本なるなよ、何回言えばいいんだ。俺この数学の時間に7回は言ったぞ』
『すみません』
『はぁ、こんなこと勉強して何になるんだよ』
松本が小さく呟く。
それを聞いた隣の奴が笑って言った。
『いいじゃん、どうせ死んだら忘れるし。生きてる間限定ってことで』
何だその思考。腹が立った。
『だったらのんびりしたいでしょ、制服も着ないで。てか田中、なんで今日もそんなネガティヴなんだよ』
『雨だから』
……こいつ、本当に意味わからない。
晴れの日は騒ぎまくるくせに、雨になると本を読んでネガティブ発言連発。しかもなぜか友達多い謎。
『はいそこ松本、この問題解いてみろ』
『え、うぇっ?』
急に当てられて変な声が出た。視線が一斉に集まる。顔が熱い。
『えぇっと…1223?』
『 おお!はずれー!』
男子の大半が笑った。耳の奥で笑い声が響く。消えない。
──やっぱ今日は最悪だ。
朝は電車乗り遅れて、臭いオヤジの隣でぎゅうぎゅう詰め。遅刻してずぶ濡れ。
何が占い1位だ。最低だ。
今日ほど人間辞めたいと思った日はない。
本当に死にたい
耳の奥でさっきの笑い声が、まだ残ってる。何で俺だけ、こんな目に。
そんな考えを巡らせていると、チャイムが鳴った。
『んー、やっと終わった。ほんと長かった』
後ろから誰かの気配。
不意に両手で目を覆われる。視界が真っ暗になった。
???『だーれだ』
ちょっと甘えた声。その瞬間、さっきまで考えていたことが全て吹き飛んだ
コメント
1件
初めて書いたので雑で下手なのは許してください