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神様っているんだね。 その一言に尽きる。

あ、ありのまま今起こった事を話すぜ!  俺は、事態が転換する事を願って歩いていた。 そしたら突然目の前が光って視界が真っ白(元から真っ白だったけど)になったんだ!そんでもって気づいたら目の前に神々しくもチャラそうないかにも神さまっぽい野郎が現れたんだ!  な…何を言っているのかわからねぇと思うが、 俺も何を見ているのかわからなかった……。 胃痛で胃がどうにかなりそうだった…… ドッキリだとかコスプレだとか そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……。

「あ、あの」

はぁ……最近の神さまはポルナレフ状態ですら満足にやらせてくれないのか。これだから若者は、まったく。

「は、はい、なんでしょうか……」

よくわからんやつなだけあって、余計に声が上ずってしまった。べ、別に俺がコミュ障だとかそういうわけじゃないんだからね!

「あ……いや、そのぉ、ええと……」

何やら言いたいことがあるらしいなこの不審者。だが、俺にその話を聞く義務は無い。早いところ撤退させてもらう。

「先を急いでいますので、それでは……」

「あ、ちょ、ちょっと待ってください! じ、実はあなたをここに呼んだのは僕なんです!」

……はい?

じゃあお前がこの事態の元凶じゃないか。お母さん、そんな変なことをする子に育てた覚えはないわ!

「ほ、本当にすみませんでした! その……あなたが死んでしまったのはこちら側のミスなんです」

そりゃそうだよな、自分が落とした食パンを踏んで転ぶなんてそんな事そうそう無いもんな。

「……本当にすみません。あなたの頭の打ちどころは安全だったはずなのに、こちら側が関与してしまったばっかりに……」

あっ、そっちなんだ。どちらにせよ俺は食パンを踏む運命だったんだ。すげぇな俺。

「いや……女の子を助けようとしてドジ踏んだのは俺なんで、別にそちら側が責任を負う必要は……」

「ちがうんですよ……」

え?今、何か……。

「何か言いましたか?」

「あ、いえ、何も。あ、えと、その責任はしっかり取りますので、すみません、本当に」

何だ?

「だから責任なんかいいですって……」

「そうもいかないんです。こちら側にも色々ありまして、せっかくの良心を……申し訳ございません……」

なるほど、そちらにも色々あるのか。っていや、色々って何だよ色々って……。

「あ! でも、大丈夫ですから! ちゃんと問題の無いようなところに飛ばしますので!」

と、『飛ばす』?

「……僕は鳥にでもなるんですか?」

「へ? 別にそんな変な事しませんよ?」

「でも、さっき『飛ばす』って……」

「ま、まさかご存じでないとは‼︎ その見た目からして、知っているものだと……」

今なんか俺バカにされた? 絶対遠回しにバカにされたよね? 見た目で言ったらお前も大概だからな。

「こ、こほん……それではご説明しますね。まず非常に簡潔に言いますと、あなたにはあなたの世界とは違う世界に行ってもらいます」

……うん。……うん?

「あの……それは、どういう……」

「質問は後でまとめて聞かせてください。説明する合間に質問するとなると、ここから大変になっていくと思うので……」

「は、はぁ……」

「では、少し具体的に言います。あなたは、あなたの世界、『地球というものの上で成り立つ世界』からの『死者』としてこの空間に来ています。本来、世界の中にあるものは必ずそれぞれの『死因』を持っています。しかしそれは極めて間接的なものなので、その死因自体がそのものの命を奪う確率は低いです。…そして、それはもちろんあなたも持っています。ですけど、死因は口外できませんので、今回は省略させていただきます」

   へぇ……ん? ま、まさか……

「俺は、その死因をいじられたとか……?」

「……はい、少しだけ。……必要だったんです」

   必要? どういうことだ?

「だから、あなたは……死ぬはずがなかったんです。本当にすみません。……こちら側はしっかり責任を取ります。あなたには『違う世界』で、生きるはずだった時間を生きてもらいます」

「生きるはずだった、時間……」

「話が長くなってしまってすみません。そろそろ準備ができますので、もう少しお待ちください」

今から飛ばされる世界は『俺の全く知らない世界』。

「安心してください、なるべくそちらの世界に近い世界にしましたので」

「……なあ、一つ聞いても?」

「はい、どうしましたか?」

「また、お前に会えるか?」

お前には聞きたい事がたくさんある。今は聞けなくてもいつか……。

「……ええ、必ず」

約束だからな。絶対に気になる事全て吐かしてやる!

「……それでは準備ができましたので、今からあなたを世界に飛ばします。安全は保証しますので……それでは、良い旅を」

神さまとの会話を終えた瞬間、またまた目の前が真っ白になり、気づいた時には……

知らない女の人に抱えられていた。

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