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気づくと目の前にはブルーシートが広げられていた。
__神様はね、いつも私たちを見てるんだよ
私はこの時思ったんだ。神様ってなんなんだろうって。
いるとかいないとか、そういうことじゃなくて、ミドリが信じた神様って一体なんだったんだろうなって。
__神様のおかげだね!
たとえ、その神様と呼ばれる存在の正体が、どす黒い魔物だったとしても、それにすがるしかないのが人間なのかもしれない。
そう思うと、目の前に広がる景色が、歪んで見えた。
ブルーシートで隠されながら救急車に運ばれるミドリを見て、私はやっと気が付いたんだ。
本当に好きなら、人を傷つけてまで好きという気持ちを押し付けてはいけないことを。
私が恋なんてしなければ、ミドリと、カケルくんは死ぬことなんてなかった。
私は、ミドリを殺した。
それは本当に、一瞬のことだった。
*
話し終え、覚めた缶コーヒー握りしめていると、ナツキが「そっか」と、同じく一口も飲んでいない缶コーヒーに目線を落とした。
「ごめん、こんな話して」
「いや、私が話してって言ったんだし!」
「うん…きっとミドリは、私のこと恨んでると思う」
「…じゃあ行こうか、ミドリさんとの思い出の場所に」
「え?」
「タイムカプセル!埋めたんでしょ?それ探しに行こう」
ナツキが当然そんなことを言い出すから、コーヒーを吹き出しそうになった。
「ええ?いやでも…」
「いいから!きっとミドリさんはフウカのこと恨んでたりなんかしてないよ」
その後断ったりもしたけど、結局タイムカプセル探しと思い出の喫茶店、それから、お墓参りに行くことになってしまった。