7月?日
何とも過激なデートを終えて、私たちは私の根城、ボロアパートに到着した。
「こんなことなら、宝くじでも引いていればよかったわ。当たれば南米にみんなとすぐに行けたのに」
別れ際に呉林が疲れで力なく呟いていた。お金は、残念だが労働の代価だ。といっても、呉林なら当たるのでは?
「赤羽さん。やっぱりあなた凄いわ。怪我がもう治っているし、それに、あれだけの体験をしているのにもう平静になって。私の見立ての通りに立派に七番目の段階に覚醒して……見るのは初めてだけど」
霧画が少々涙目になって、私の両肩をまるで子供を相手にするように摩った。
私は呉林姉妹にもう少しいてもらいたくて、引き留めた。もう少しこの二人から情報を得ようと思ったのだ。解らなくて不安なところが多すぎる。解ったとしても不安だったりして……。それと、キラーの情報が欲しい。呉林姉妹は不思議な直観によって、これからはキラーが出ても大丈夫だと思っているのだろうか? 私の力があるし。けれど、どうしても今聞いておきたかった。
「今、お茶を淹れるから。どうぞ入って下さい」
「あ、あたしが淹れる」
呉林姉妹を家に招き入れると同時に、安浦が本領を発揮する。
まさか、お茶も美味くなるのだろうか……?
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