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「琴音、元気だった?」
「碧! 元気だったよ! 1ヶ月ぶりだね」
目の前にいるとても明るい彼は、高校時代からの友人――いや、親友と呼べる友達。
星乃 碧(ほしの あお)、25歳。
176cmで龍聖君と同じバスケ部だった。
私と碧、龍聖君は同じクラス。
2人は人気を二分していて、バスケの試合の時は、応援にくる女子が後を絶たなかった。
マッシュスタイルに軽くパーマをかけた無造作ヘアで、シルバーカラーが外国人のようにも見えて、かなりオシャレな碧。
顔がちっちゃくて、カラコンで目がハッキリしてて、肌が白くて綺麗で……
回りはみんな「可愛い系イケメン」だと言っている。
職業は、美容師。
まだ年数が浅いのに、腕が良いし、カリスマ性もあって予約がなかなか取れない。笑顔がすごくキュートでとっても話しやすいと、お客様からの人気は絶大だ。
「本当、お互い忙しくてなかなか連絡取れないよな」
「うん、そうだよね。月に1度のバスケ会だけがみんなに会えるチャンスだから。この日だけはって、すごく楽しみなんだ」
「特に今回は龍聖が日本に戻ったお祝いだからね。急だったから全員には声かけれてないけど、今日集まった6人で楽しもう」
「碧、いつも声掛けありがとうね」
「どういたしまして」
いつもは碧がお店を探してくれるけれど、今日は龍聖君の申し出で、鳳条グループが経営する「ホテル リベルテ 東京」に集まることになった。しかもスイートルームを提供してくれるらしい。
最近、色々あったせいか、少し心が疲れてしまっていて、頑張らなければと思えば思うほど空回りしていた。
涼香姉さんや綾井店長のこと、突然の龍聖君との再会と……目まぐるしく展開する出来事になかなか気持ちが追いつかなかった。
こんな貴重な経験はもう一生ないだろうから、今日は色々忘れて、大切な仲間との時間をめいいっぱい楽しみたいと思った。