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2024.2.23.

ここから物語が始まる。

たった1人の物語。

孤独で始まり、孤独で終わるであろう小説。

これを見てる君はどう解釈するかは知らない。

________孤独の森________

『人を殺した』

君に告げられたこの言葉。

手は酷く震え青冷めた顔を見るまでは信じてはいなかった。振り向けば死んだ魚の目をした君がたっていた。全てを理解するのに時間はそう長くなかった。泣きそうな顔で君は

『どうしよう、でも、仕方なかったんだ』

と呟いた。どうするのが正解なのか分からなかった。だから黙って君を優しく抱きしめ頭を撫でた。

『大丈夫』

その一言だけを君に送った。

殺して

君はそう言った。だが、それには従わなかった。

『逃げよう。君は悪くない、そうさせた社会が悪い。きっとそうだ、さぁ、荷物を持って』

君は指示に従って直ぐに必要なものを持ってきた。優しく微笑み君の手を握った。

『誰も知らないところに行こう。』

君は頷いた。駅に向かった。田舎だからか電車は1時間に1本しか来ない。いつ電車が来るか分からなかったが、退屈ではなかった。あえて殺したことについては聞かなかった。きっと君を苦しめるだろうから。少し時間が経てば電車が来た。電車に乗り、うんと遠くまで逃げた。

何時間たったのだろうか。人影のないところまで来た。ここまで来れば安心だろう。

『ここで降りたい』

君はそう言った。だからここで降りた。人影が少ないのは色々と都合がいいらしい。

何をするかは分かっていた。だからこそ君に従った。

『行きたいところに行こう』

どれくらい歩いただろうか。森に入り、川を渡り、また森に入った。獣道とでも言うべきなのか、誰も来ないであろう所を君は歩いた。いつ熊が出てきてもおかしくない。だが、怖くはなかった。君がいるから。

あたりは暗くなり、さすがに疲れてきた。

『少し休もう』

そう言い近くの木に腰掛けた。

疲れてるのか君はすぐに寝た。風邪をひかないように上着をかけた。夜空はキレイだった。月が森に光を指す。なんとも綺麗で美しい。少し休もう。また明日も歩くだろう。

そっと君の頬を優しく撫で口付けをした。

『おはよう』

その一言で目が覚めた。あたりはもう明るくなっていた。おはようと挨拶を返した。

『行こう』

といい君は歩き始めた。夏だからか汗が酷く出た。お風呂に入っていないからか気持ち悪かった。だがそんなことはどうでもよかった。

『ここでいいよ』

と君は言った。そしたらバッグを漁り始めナイフを取りだした。あぁ、終わるんだなと悟った。パトカーの音が聞こえた。

『ありがとう。幸せになれよ』

といった。そして君は自分の首を切った。目の前の光景が夢のようだった。血が溢れ、倒れてる君の顔は苦しみから解放されたかのように笑顔でなんとも幸せそうだった。誰かがこちらに来る。でも、そんなことはどうでもよかった。

再び頬を撫で口付けをした。今度は長く、深く口付けをした。君の手からナイフを取り、首を切ろうとした。

まて!ナイフをおろせ!

後方から声が聞こえた。振り返れば警察だった。何を思ったのか君に抱きつき別れを告げた。


あれから何年経ったのだろう。あの時の記憶は鮮明に残ってる。君をずっと探しているが、何処にも見当たらない。

あの時の森に来た。昔とは変わらず綺麗だった。そして、首を切った。

同じように、同じ場所で首を切った。痛くはなかった。君に会えると思ったら自然と笑顔になれた。早く会いたい。

ここで意識は途切れた。

君を愛してる。昔も今もこれからも。

声に出たかは分からない。ただ、君を愛してることには変わりは無い。もうすぐで会える。





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