テラーノベル
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**はる。だわ。** めっちゃわかる……夕日に照らされてバイオリン弾く先輩、美しすぎて息止まるだろこれ。主人公が「この世界の主役は先輩」って思う気持ち、超刺さる。しかもそのあとの帰宅後の描写で「ああこの子完全に堕ちたな」って確信したわ。曲を聴かせてもらえる関係になったのがまた良い。作者の要素の引用についても誠実だなって思った。次が楽しみ過ぎる🔥
先輩の演奏が始まった。先輩が右手に持っている弓が、滑るように弦の上を通る。
心の奥に響く、美しい音が出る。
きれい。
先輩は少し演奏を止めて言う。
「どう?」
「葉加瀬太郎って人のひまわりって曲。聞いたことない?」
日本人なんだ。
「好きなんですか?」
「まぁ、うん。コンサートはいつも行くよ。」
「へぇ…」
きれいだった。もっと聴きたいかも。
「もう一曲、お願いできますか?」
「!…別にいいけど…同じ人でいい?」
先輩は少し驚いた様子だった。
「はい」
「じゃあ、エトピリカっていう曲で」
先輩は深呼吸をして、バイオリンと向き合う。
弓が動く。音が響く。
その時。
夕日がわたしたちの後ろから差さる。
会議室はみるみるうちに赤く染まり、わたしたちもその光を取り込んで赤くなる。
わたしは先輩を見る。
…美しい。
夕日というスポットライトに照らされた先輩は、色気とかいう言葉で表すには無礼だと感じるほど美しかった。
今この世界の主役は先輩だった。
透き通る爽やかさを持つ瞳、ぷっくらして麗しい唇、サラサラで整った青色のロングヘア、花のように柔らかなフローラルの香り、白めの肌、すらっと整い、無駄な肉がない流線型のボディライン。
この時どんな世界的な歌姫でも、富豪でも、業界人でも、インフルエンサーでも、発明家でも先輩には誰一人敵わないだろう。
輝いていた。とにかく先輩は輝いていた。
わたしの視線は先輩に釘付けになった。
「…美しい」
思わず声に出てしまった。
まずい。
「いいよね、この曲。私も好き」
声に反応して先輩を見ると、もう曲は終わっていた。
どうやら先輩は勘違いをしてくれたようだ。
バレなくてよかった、という気持ちとこの気持ちが先輩に伝わって欲しかった、という矛盾した二つの考えが頭を巡る。
「いい演奏をありがとうございます、先輩」
「どういたしまして」
本当に美しかった。ずっと見ていたかった。
でも赤い夕日はもうわたしたちのことを照らしてはくれなくて、蛍光灯の安っぽい光がわたしたちを白く照らす。
「…ねぇ、雛西」
先輩がわたしに呼びかける。
呼ばれた、呼ばれたよ。苗字だけだけど、先輩に初めて向き合って呼ばれた。
そのことからわたしはただ事じゃないな、と少し心の準備をする。
「なんですか?」
「この演奏…これから定期的にしてもいい?」
「えっ?」
予想外の言葉だった。わたしは思わず目を見開いて先輩を見つめる。
「あっいや…そっちが嫌だったら全然いいんだけど…」
「き、聴きます聴きます!先輩の曲、いつまでも聴けるんで!」
前のめりになって、食い気味に答える。
「本当にいいの?」
「はい!」
「!…ありがとう」
先輩は照れくさそうに言う。
俯いてもじもじしている。
耳が少し紅潮していた。
どこまでも可愛いな、この人は。
「とりあえず、今日は時間だし、ここまでね」
そう言って先輩はバイオリンをケースにしまい始める。
「行こ、雛西」
先輩はわたしの方を向いて言う。
「あっ先輩、待ってくださーい!」
わたしたちは昇降口まで並んで歩き、帰り道の途中にある、二つの道に分かれる路地で別れた。
わたしの家は歩きで帰ることができるほど近いが、先輩は電車を使わないければいけないらしい。
先輩といっしょに乗りたかったな…
残念な気持ちになりつつも、わたしは自分の下の方がじんじんしっぱなしだった。
まるで火力発電でもしているかのように、その熱は強くなっていった。
別れ際、先輩が微笑みかけてくれて、言った言葉。
「じゃ、また。バイバイ、雛西」
その言葉はわたしのさらに奥の方の熱を加速させた。
また会える機会があるなんて。
先輩の声と香りは、わたしの奥深くに刻まれた。わたしから消えようとはしなかった。もはや、思い出すたびに熱が強くなるような気がする。
わたしは帰って早々、震える手を下の熱に伸ばさずにはいられなかった。
☆プチあとがき☆
今更なのですが、このお話は色んな方々の物語から多くアイデアを得ています。
だからちょっとパクリに見えてしまうところがあるかもしれません。ご了承ください!