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🧡side
🧡「あっ、めめ〜!!」
🖤「あ、康二。おはよう。」
俺が名前を呼ぶと、必ずめめは振り返ってくれる。
🧡「おはよう、会えて嬉しいわ。」
🖤「毎日会ってるのに? 笑」
🧡「めめは嬉しくないの?」
🖤「嬉しいよ、すっごい幸せ。」
🧡「んふ、俺も。」
朝からそんな幸せな時間を過ごした。
俺達は付き合っている。同学年で、一目惚れに近い。高一の最後に告白したら、「…俺も好き。なんか、悔しいな。先に言われたの。」なんて言って頷いてくれた。今は付き合って約一年経って、高校三年生になった。
でもまだ、軽いキスしかしたことが無い。
お互い時間が取れなくて、中々ゆっくり出来ないんだ。俺に関しては、関西出身だから、寮生活。めめの家に上がったこともない。
ちょっと寂しいなーって思ったりするけど、学校で毎日会えるから苦ではない。
ても、次の日。なんでかわからんけど、めめに無視された。
____
🧡「めめ〜!!」
🖤「……」
あれ、俺なんかしたっけ。そう不安に思って、学校なのに泣きそうになった。でもその日はどうにか耐えて、寮で少しだけ泣いた。そしたら、同じ寮で過ごしてた友達に心配されちゃったけど。
「えっ、どしたん康二!? なんかあった?」
🧡「うぇ…ちょっと、友達怒らせちゃって…。でも、理由がわからんのよ。」
「え、何それ。心当たりとかないの?」
🧡「ない、びっくりするくらいない。」
俺が悪いことしたんなら、謝らなあかん。理由が分からなくても。そう思って、次の日は彼を引き止めてみることにした。
____
🧡「…めっ、めめ…!」
俺はそう名前を呼んで、彼の右手首をガッシリと掴んだ。すると彼はようやく振り向いてくれた。
🖤「……何?」
🧡「えっと…その、ごめん。」
🖤「何が? 笑」
🧡「いや、俺がなんかしたから怒ってんやろ?」
🖤「…理由は?」
🧡「んぇ?」
🖤「理由、分かって謝ってんの?」
🧡「そ、れは……」
「わかってない、けど。」
🖤「…じゃあダメ、受け付けません。」
そう言うと、めめは俺の手を振り払ってまた前へ進んでいく。
俺は引き止められなかった。
🧡「…分からんよぉ……。」
視界が涙で濁って、その目を擦った。手に涙がつく。
今日はなんだか学校に行く気になれなくて、寮に戻った。少しぼーっとしたら、制服から普段着に着替えて、気分転換に街で遊ぶことにした。
____
🖤side
俺は康二と付き合ってる。
でも今はイチャイチャしたくない。
いや、したいんだけどさ、キスとかハグとかそういう行為も。
でも康二って人たらしだし、鈍感だから、色んな人から想い寄せられてんの。寮生活だから、康二の料理を食べてる人だっている訳だし…俺食べたことないのに。だから毎日何かしらに嫉妬して疲れた。
だから、ちょっと反省してもらうために俺は無視し始めた。けど、やっぱり康二は何も知らないみたい。
今日の朝謝ってきたんだけど、理由を尋ねたら黙り込んでたもん。あの時の泣きそうな顔、ちょっと興奮しちゃった。
けど…
🖤「…居ないな、康二。」
出席してない。
……思ってる以上に、傷付けちゃったかな。…まぁ、もう十分反省してるだろうし、今日の帰りに寮に寄ってこ。
やっと授業か終わった。早く康二に会いたい、会って抱きしめたい。そう思って、寮へと走っていった。
康二が住んでいる寮のインターホンを押す。すると、康二の友人が出てきた。
「あれ、目黒くんじゃん。どしたの?」
🖤「あ、康二居るかなーって…」
「康二? 康二はまだ帰ってきないよ。」
🖤「…え?」
「今日は康二休みだったし…遊びにでも行ってんじゃないかな。」
🖤「あぁ…なるほど。」
居ないのか。学校サボって遊ぶとか珍しい。
とりあえず探しに行こっかな、どこにいるかわかんないけど。洋服屋さんとかに居そう。
____
🧡side
🧡「っしゃ、買いたい服買えた!」
俺はすっかりショッピングを楽しんでいた。やっぱり気分転換は大事。まぁ、めめのこと思い出したら胸がキュッてなるけど…。
お気に入りの洋服店を出て、夕飯も調達してしまおうと足を進める。
「あ、お兄さん!服オシャレですね〜!」
🧡「あ、ありがとうございます〜!」
「モデルみたいでカッコイイ…あちょっと待って、お兄さんに似合いそうな服知ってるんです!ちょっと来てください!」
🧡「え?あー……」
ついてっちゃあかんやつよなこれ。どうしよ…強くは言いたないしな。
「ほら、こっちです!」
🧡「あ、ちょっと…!」
そう迷っていたら、腕を掴んできた。引っ張られていってしまう。
あかん待ってこの人力強ない?!
🖤「康二!!」
🧡「…!?めめ?!」
必死に対抗しようとしていたら、めめに名前を呼ばれた。そっちに振り返って、こちらも呼び返したら、見知らぬ男性は舌打ちしてどこかへ行ってしまった。
こちらに走ってくるめめに腕を掴まれ、人影の薄い所まで連れていかれる。
🖤「もう…なにしてんの、変な人に絡まれてるし…。」
🧡「あ、え…ごめん。」
🖤「なんで謝んの」
🧡「だって…めめ怒らせてんのに、また迷惑かけて…」
もっと怒らせちゃう。そう考えたら、手が震え出した。
なんて言おう、謝ろうにも理由がわからんから意味ないし…。
そう頭が真っ白になりかけていたら、急にめめが抱きついてくる。
🧡「あぇ、め、めめ…?」
🖤「大丈夫、もう怒ってない。」
🧡「…ほんまに?」
🖤「うん。」
え、何に怒ってたん?
そんな疑問も残りつつ、でもこうして仲直り出来たことが嬉しくて、少し涙が滲んだ。
🖤「…あれ、また泣いてる?」
🧡「や、だって…このまま別れたらどうしよって、思ってたから…」
ポロポロと溢れてくる涙を手で拭った。
めめはそんな俺を見て笑いながら、泣き止むまで待ってくれた。
そしてようやく涙が止まってきたくらいの頃、めめは俺に口付けをしてきた。
あ、今するんや。そういう思いもあったが、でも嫌ではなかったから拒否はしなかった。
…あ、でも待ってちょ舌入ってきてない?? 外やしそんな激しいのは今するもんじゃないちょっと待っ
🧡「んっ、ふ…っぅ、♡」
グッと彼を押したが微動だにしないしむしろ手を掴まれた。
内心焦りでそんな早口にもなっていたが、時間が経つとそんな考えも溶けて無くなっていく。
長…きもちい、もっとしたい、けど…腰抜けそう、待って
足が震えてきたと思ったら、グッと引き寄せられて、キスはしたままなのにハグの体制になった。
近い、身動きが取れない。力もう入んない、無理やって…
ようやく口と身が離されて、俺はその場に座り込んだ。
🖤「……違う意味の涙が出てきちゃったね。」
🧡「ふっ、はぁっ…♡ めめが、激しくするからや…」
顔が熱い、涙すら熱い気がしてきた。
めめが俺の腕を引っ張って立たせてくる。
🖤「ほら、俺の家で続きしよ?」
🧡「めめの家…? め…えっ、めめの家?!行っていいん?!」
🖤「え、うん…あ、そっか。初めてか。」
🧡「えー楽しみよ普通に!」
🖤「ま、明日からは週末だし…ゆっくりする?」
🧡「する!!」
彼と手を繋いで、家に行くことになった。