TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
禪院奨也

一覧ページ

「禪院奨也」のメインビジュアル

禪院奨也

14 - 第14話 自分の道

♥

49

2025年01月04日

シェアするシェアする
報告する

禪院家との一連の戦いを終えた奨也は、疲弊しながらも自分の信念を再確認していた。しかし、福岡分校に戻る間もなく、次なる刺客の情報がもたらされる。今度は加茂家――呪術界の御三家の一角――が動き出したというのだ。

加茂家の当主・加茂憲倫の死後、その一族は内部分裂を避けつつも外敵に対する強硬な姿勢を示してきた。彼らは禪院家との戦いを繰り広げた奨也に「御三家の秩序を乱す危険人物」として目をつけていた。

福岡分校に戻った奨也を、校長が呼び出す。

「禪院家との戦い、ご苦労だったな。しかし、君には次の試練が待っている。」

「次の試練?」奨也は眉をひそめた。

深刻な表情を浮かべながら、一通の手紙を奨也に手渡す。

その手紙には、「加茂家より 呪術師・禪院奨也の身柄を引き渡すことを求む」と記されていた。

「身柄を引き渡す…?俺をどうする気だ?」

「彼らの意図は不明だ。ただ、君に害意があるのは間違いない。」

奨也はハンドスピナーを手に取りながら静かに答えた。

「なら、俺が加茂家に乗り込んで直接話をつける。」

奨也が加茂家に向かう途中、早速刺客が現れる。その先頭に立っていたのは、加茂家の若きエリート術師・加茂遥己だった。彼は呪術界でも珍しい「血液操作」を極めた術師であり、さらにその能力を進化させた独自の術式を持っていた。

「禪院奨也、噂以上に厄介な奴だと聞いているよ。」

遥己は冷静な口調で奨也を挑発する。

「血液操作ね…。禪院家より派手じゃないが、地味に厄介そうだ。」奨也はハンドスピナーを回しながら答えた。

遥己の術式は、単なる血液操作ではなかった。彼は自分の血液を「針状」に変化させて周囲に飛ばし、あらゆる物体を貫通する能力を持っていた。その範囲は広範囲に及び、無造作に回避することは難しかった。

「どうだ、動きたくても動けないだろ?」遥己が笑みを浮かべる。

奨也は攻撃をかわしながら、頭の中で分析を進める。

「血液操作…範囲攻撃がメインか。でも、攻撃の軌道が一定だから予測できる。」

奨也はハンドスピナーを最大速度で回転させ、血液の針を空中で弾き返した。さらに、回転エネルギーを利用して空気を高密度に圧縮し、針の軌道を乱した。

「何だと!?」遥己は驚愕の表情を浮かべた。

刺客を退けた奨也は、ついに加茂家の本拠地に到着する。そこには、新たな加茂家当主であり遥己の兄でもある、加茂律己が待ち構えていた。律己は父親譲りの冷酷さと計算高さを持ち、呪術の才能においても一族の中で群を抜いていた。

「禪院奨也…君の行動は御三家全体の秩序を揺るがすものだ。」

「秩序ね…。そんなものに縛られて、自分を見失う方がよっぽど馬鹿げてると思うがな。」

律己は微笑を浮かべると、術式を発動させた。彼の術式は「血液操作」とは一線を画すもので、自分の血液を媒介にして「他者の術式を一時的に封印する」能力だった。

奨也はその異常な術式に対抗するため、術式の応用を模索し始める。

奨也は加茂家の術式を次々と突破しながら、律己の真意を探ろうとする。彼が福岡分校で学んできた仲間たちとの経験は、この戦いでも活きていた。

「俺は禪院家も加茂家も関係ない。ただ、自分の道を進むだけだ!」

奨也の力と意志は、加茂家にも新たな波紋を投げかける。彼がこの戦いを制し、さらに何を得るのか――その答えは、次の展開に委ねられる。

この作品はいかがでしたか?

49

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚