テラーノベル
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翌朝、ブルーロックの棟内に朝の光が差し込む。
昨夜、玲王の「お世話(トントン)」によって泥のように眠った潔は、心なしか肌艶も良く、すっきりとした顔で食堂へ向かっていた。
しかし、その後ろを歩く玲王の様子がおかしい。
隈こそないが、その瞳には「絶対に潔に誰も触れさせない」という、昨夜の騎士(ナイト)モードをさらに拗らせたような異様なまでの守護欲が宿っていた。
そして、その「獲物」を待っていたのは、玲王だけではなかった。
食堂の入り口、ちょうどドリンクバーの影。
昨日、潔の「耳が弱い」という弱点(最高のご馳走)を見抜いた蜂楽が、獲物を狙う猫のような目で待ち構えていた。
「おはよ、潔! 昨日は玲王ちゃんに連れ去られちゃって寂しかったよ〜」
蜂楽はいつものように軽い足取りで潔の隣に滑り込む。そして、当然のように潔の肩に腕を回し、顔を近づけた。
「……っ!!」
昨夜の「脳が溶ける」ような感覚がフラッシュバックし、潔はビクゥッ! と肩を跳ねさせた。
「あ、あれ〜? 潔、昨日より反応がいいね。……もしかして、玲王ちゃんと『もっとすごいこと』しちゃった?」
「ば、蜂楽! 違う、それは御影家の儀式が……っ」
「儀式?」
聞き慣れない単語に首を傾げたのは、自動ドアからふらりと現れた凪誠士郎だった。
「ねぇ、玲王。……潔と、何したの? 潔の耳、昨日より赤い。……ズルい。俺もやりたい」
凪は眠そうな目を擦りながらも、潔の反対側の耳元へ、重力に逆らわないように頭を預けてきた。
「やめろ凪! 潔に近寄るな! 蜂楽、テメェも離れろ!!」
玲王が叫ぶが、二人は止まらない。それどころか、そこへもう一人の「冷徹なストライカー」が静かに加わった。
「……騒がしいな、お前ら。……そんなに潔の反応が見たいなら、効率的にやればいいだろうが」
糸師凛だ。彼はいつも通りの不機嫌な面構えを崩さないまま、潔の正面に立った。
「……おい、潔。……昨日の練習、あのトラップの意図を説明しろ」
「え? ああ、あれは……っ」
答えようとした潔の耳元を、左右と背後、そして正面から四人の声が包囲する。
「ひ、あ、……っ、んんぅ……っ!!」
四方向から、異なるトーンの低音、吐息、そして執着の混じった声が鼓膜を震わせる。
昨夜、玲王に「開発」されてしまった潔の耳は、もはや正常な判断を許さない。
四人の声が脳内で混ざり合い、ぐちゃぐちゃの水音のように反響する。
「や、……だ、……みんな、……近い……っ。……あたま、おかしくなる……っ!」
潔は真っ赤な顔で耳を塞ごうとするが、その手は凪と蜂楽によって優しく(けれど強引に)抑え込まれた。
膝がガクガクと震え、潔の瞳は再び潤み、視界が白く霞み始める。
食堂のど真ん中で、チームの中心人物たちが一人の男を取り囲み、耳元で愛を囁き合うという地獄のような光景。
「……あ、……ぁ、……っ…………んあああぁっ!!」
「「「「…………!!??」」」」
潔の口から飛び出した、昨夜の「甘い声」。
そのあまりにも無防備でエロすぎる響きに、四人の理性が一斉に爆発した。
ブルーロックの朝。
一人の王者を巡る、耳元での「執着の包囲網」が始まった。
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