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次目が覚めた時、私の視界には見慣れない白色の天井が移った。
点滴が着いた腕に、包帯まみれの足。
状況から見ても、私は生き延びた‥‥らしい。
なんだか、あの事故からすごく時間が過ぎって言っていた気がする。
正直、私は自分が死んだのだと思った。
痛いと思う余裕すらないくらい、死というものが後ろから迫ってきている気がしたから。
そんなことをボーっと考えていると、男の子が病室に入ってきた。
「起きたんだな、お前。」
黒色のサラサラした髪に、藍色の瞳をした男の子。
その男の子は、私と同じく白色の手術着を着ていた。
「あなたは…」
私の記憶には、確かにいない男の子。
記憶喪失ということでもない…はず。
「俺は、お前が助けてくれた奴の兄。」
淡々と話す彼の姿は、たしかにあの女の子と似ている‥‥気がする。
「妹を助けてくれたことに、お礼を言いに来た。」
彼はそう言って、私の近寄ってきた。
「本当に、ありがとう。」
彼は礼儀正しくお辞儀をして言った。
「顔をあげてくださいッ」
顔をあげた彼に、私は戸惑いながらも、言葉を返す。
「大丈夫、です。妹さん、助かってよかったですね。」
私は笑顔を浮かべてそう伝えると、彼も笑顔を返した。
少しいい方は怖いけど、妹思いのいいお兄ちゃんだな。
「そういえばお前、ナースコール押したのか?」
その言葉でハッとし、ナースコールのボタンを押そうとした次の瞬間、、ガラッと扉が開いた。
「す、ずね‥‥」
そこには、目の下に深い隈と涙の跡が目立つ、少しやつれたお母さんの姿があった。
お母さんは持っていたバックを落とし、私にかけよる。
目下には涙がたまっていて、私の手を壊れ物を扱うように優しく撫でる。
「無事、だったのね。」
その後、お母さんと私の声が聞こえた看護師さんが来て、お医者さんと話した。
私は三日間、寝たきりだったらしい。
さっきまでいた彼はもうすでにいなくて、忍者のように気配なく消える彼は、私の幻覚だったのかも…なんて。