テラーノベル
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──────バラ視点──────
めめは、俺のことをみぞれに説明する。
───みぞれ。それは精霊王の名前だ。長く生きてきた俺だが、その存在は知らなかった。いや、知っていたのかもしれないが既に記憶から剥がれ落ちている。
俺は、みぞれについてある程度のことを知った。当然だ。記憶をいじくったのだから当然把握している。しかし、全てを見ることは出来ななかった。俺の記憶の限り、そんなことは初めてだった。───そもそも、めめの記憶を覗くことすら出来なかったのもおかしい。
めめは神だから見れないのだろう。しかし、精霊王とはなんなのだろうか。聞いたことすらない単語だ。先程から青い薔薇を咲かせてみるが、久しぶりに使ったせいで上手く順応できない。
しかし、まともに思考することが出来るのは助かる。先程まで死神に対してお前は死ぬのか?などという馬鹿げた質問をしていたのが恥ずかしい、と感じるまでは知能が戻った。
さらに思考を深めようとしたが、その前に足が止まる。───ここなのだろうか?
「───ここですかね?」
めめが、そう言いながらその大きな扉の前に立つ。
その扉は金で縁どられており、荘厳な雰囲気を醸し出していた。高さはめめの8倍ほどあり、横は3倍ほどだろうか。明らかにそんなに大きくなくてもいいだろ、と思うほど大きな扉だった。
「大きい…ですね」
みぞれがそう口をこぼす。オブラートを何重にも包んだ言葉だろう、そう思う。が、この人なら本当にそう思っていそうなので、正直分からない。
「この扉の奥みたいですね。入りますよ。」
そうめめが断言する。推測になるがめめは多分鏡の場所を知っているのかもしれない。なぜ知っているのか、分かるのかは冴えない頭じゃ考えがつかない。まあ、神の不思議なパワーということにして無理やり脳を納得させる。
めめが、扉に手をかけ、押すと同時に
──────何十もの矢が俺たちに向かって降り注ぐ。が、めめは片手に禍々しい黒い物質を創り出すと、矢はそれに吸い込まれていく。
そして、何事も無かったかのようにめめは扉に入っていく。
「───は?」
思わず声が漏れた。すぐに口を塞ぐが、幸いどちらも聞いていなかったようで助かる。
いや、しかしは?と言ってしまうのは無理がないと思う。突然黒い物質───おそらくブラックホールを出し、そして平然のように、まるで当たり前かのように矢を吸い込んでみせた。マジックでこれをやったら拍手喝采は確かだろう。
しかし、反応もおかしい。みぞれも疑問ひとつすら思い浮かばずに、めめについて行く。目の前の光景が見えててそれなら俺は恐怖を抱かざるを得ない。
直感する。こいつらは化け物を超えたなにかだ。
神が、精霊王がここまで規格外だとは思わなかったと同時に、自身の見識の狭さを知る。しかし、上手く思考が回り始めたのは良い兆候である。このまま戻れればいいが…その前に脳がパンクするだろう。この程度の知能で留めておいた方が良い。知能を一時的にあげたあと、上げすぎるとその後の頭痛や吐き気に耐えられないからだ。二度とあんな経験はしたくない。
そんなことを思いながら俺はめめとみぞれに続く。真っ直ぐいけば、そこには豪華絢爛、と言わんばかりに装飾された鏡が置いてあった。金色の縁に、その両端には悪魔の翼と天使の翼が一対ずつ並んでいる。てっぺんにはまるで目のような紋様が記されていた。どこか、オーラのある鏡は、まるで俺たちに対して試練を与えているように思えた。
「バラ。あなたに聞きたいことがあります。あなたはどうするのですか?」
めめは、俺に振り向きそう聞いてくる。どうする。つまり、めめ達と一緒に鏡をくぐるかこの場に留まるかだ。
めめ達と一緒に行くとおそらく死より恐ろしいことを体験するだろう。不老不死、なんて言っているが神の前で絶対に死なない、という保証はない。何故ならば神は概念をねじ曲げるからだ。俺の種族なんて、存在なんて神の前ではちっぽけなものだ。ここに留まればおそらく一生を宇宙で過ごすことになるだろう。頭が冴えてわかったが、戦争によって、この星は酷く疲弊している。少しの衝撃で簡単に崩壊してしまうことは容易にわかった。…申し訳ないが、めめが死神の鎌を思いっきり使った影響だろう。それほどまでこの星にとって、神の力は重いものだった。本題だが、この星が壊れたら、俺にはどうしようもない。ただ、無力にも宇宙を漂うしかないだろう。
なら、俺にとって選択肢はひとつしかなかった。
「なら、さ。お願いがあるんだ。」
めめは、薄々察したかのようにみぞれは微笑みながら、頷いている。おそらく、めめは分かっていて、みぞれはわかっていないだろう。
───やっぱり俺は神を理解できない。一方的に理解されて、俺側からは理解できない。なんともまあ、恐ろしく、
───襂灁、ひっぱヤ理解뱧きなざ───
「───ですよねぇ…」「____え?」
ここで切ります!やっぱり文字化け楽しすぎるwお手軽にその文字を読めなくできるし、意味深にできる。これが小説の魅力ですね(?)!!!
あ、お知らせという程でもないですが、フォロワー様600人達成したら、小説講座を開きたいと思います。まあ、そんな教えられることなんてあまりないと思うので、どちらかと言うと私がどう小説を書いているか、の説明重視になる気がしますね…。それでも良ければ読んでみてください。
あ、ちなみにこの小説が完結したら毎日投稿辞めます。当たり前やろがい。毎日投稿なんて狂ってますもん()それに、受験があるのでもしかしたら低浮上になるかもしれません。ご了承ください。とりあえずこの物語だけは完結させます。最後までお付き合い頂きたいです。お願いします。
それでは!おつはる!
コメント
11件
受験期にこんなに浮上してる事がおかしいのよ