「なぁ、やばいって、これ」
「うるさい。翔太、そこに手、ついて」
「俺、もう体バキバキなんだって……あっ…!」
照の手が、俺のを掴み、上下に遠慮なく扱き始めた。
「ここは確かにバキバキかもね?」
「///っ!!うるさっ!!この変態っ!!あっ、ああんっ!!」
高層ホテルの、地上からだいぶ離れた部屋に泊まっているからって、雪がちらつくバルコニーの窓に向かって、裸のまま外に向かって立たされるのは、かなり恥ずかしかった。
照の手は容赦なく敏感な箇所を絶妙な力加減で握りながら、時に先端を弄ってくる。
それだけじゃない。
実はもう後ろはめいっぱいに広げられて、さっきから照のアツいのが挿入されていて、焦ったくなるようなゆっくりとした速度で抽送を繰り返されている。照の口調がまだ余裕なのは、自分がイクまで時間がかかるように、長く楽しんでいるからだ。
嬉しいのかよ?
俺をこんなふうに、いたぶって……。
恥ずかしさで目を瞑り、それでも快感に流されそうになりながら、気がつかない間に、俺は自分の胸の先端を弄って、恥ずかしい声を上げていた。
「イイね、翔太。ライブの時より、艶っぽい…」
「当たり前だ…ろっ!!!あぁん…」
◆◇◆◇
北海道に来てすぐ、最終的な演出の確認や、立ち位置の整理、衣装の微調整などに追われた。
そんなバタバタする中でも、俺たちは楽しみにしていたケータリングをばくばく食べ、思い思いの充実した時間を過ごしていた。
俺は、ライブ前に少しでも体力の温存がしたくて、セット裏で少し休むことにした。暖かくて、気持ちよくて、いつの間にか眠ってしまったようだ。
目が覚めると、寝る前には無かったはずのごつごつした枕の感触がした。
寝惚けた俺が、
「照?」
と声を掛けると、全く違う男の声がした。
「気持ちよさそうやね、しょっぴー。でも、照兄やないで?可愛いな、寝惚けてるん?」
ばっ!と慌てて起き上がった時にはもう遅かった。視線の先には、こちらを睨む照の姿が離れたところに見えている。
康二は、手元に構えたスマホをちらつかせながら、満面の笑顔で俺に言った。
「これ、ブログに載せるな?」
「それは……いいけど…」
視界の片隅で、ふっかに肩を回して去って行く照が見える。俺の心臓はバクバク鳴ったままだ。
またやってしまった。照に口を酸っぱくして言われているのに。
終わった……。
自然とため息が口をついて出た。
◆◇◆◇
彼氏の照は、自他共に認めるやきもち焼きだ。夜の自分が大変心配になったが、その日のライブではさらに悲劇が続いた。
「しょっぴー、しょっぴー、俺のパート歌ってよ」
ライブ中、テンションが上がっためめが、俺のイヤモニを外して、そう囁いた。角度的にやばい。頬に息がかかっている。
会場のファンは俺たちの密着に湧き、それでも止まらない曲に合わせて、パフォーマンスは続く。
ライトが眩しかった、声援が気持ちよかった。楽しかったけど、頭の隅には照のイラッとする姿がやすやすと想像できた。
怖くてそっちを見れない…。
ライブ中の接触はノーカンだと、約束してある。楽しいから、みんな酔っ払ったようになって、集団催眠状態だ。めめも、康二も、時には最年少のラウも、俺にべたべたと触ってくる。
◆◇◆◇
初日のライブ終わり、ホテルの部屋で風呂と肌のメンテナンスを何とか終えると、俺はベッドに埋もれてうとうととしていた。髪をきちんと乾かす余力もない。この日は残念ながら打ち上げにも参加できなかった。それほど疲弊していた。
「翔太、いる?」
夢うつつで照の声を聞いた気がする。
ベッドが沈み、ああ、夢でなく本当に来たのかと、視線だけをずらすと、太くて逞しい腕が顔のすぐ横に見えた。
「わぁっ!!!」
枕にうつ伏せになっていた俺は、力ずくで簡単にひっくり返され、続けざまに上から巨体が覆い被さって来た。枕元の電気のスイッチが弄られると、煌々とついていた部屋の電灯が消され、枕元の柔らかい照明だけになった。
暗闇に浮かび上がった照とやっと目が合う。何も言わないから、怖い。
「あの、、」
「黙って」
そして照は、俺の唇に、初手から深く舌を挿れて来た……。
◇◆◇◆
「ああんっ!!ねぇっ!!照、もっと、ちゃんと……んっ!あぁ……」
指先に感じる、窓の固く冷たい感触で、何とか自我を保っていたはずなのに、照のいやらしい腰の動きに相まって、大きな手に包まれ、昂まり続ける俺自身が、そろそろ無理になって来た。
体勢は自然と前のめりになり、先端からだらだらと愛液が漏れ始めている。割られた双丘の真ん中を照の欲望が貫き続ける。その動作はやっぱり緩慢で、それでもゆっくりねっとりと、感じる箇所を的確に突いてきていた。
「ねぇ、お願い……イカせてよ……こんなの…やだぁ……」
自分でも情けない声が出る。恥ずかしさも何もなかった。もっと荒々しく抱かれたい。いつもみたいに。
照の手が、俺のを離して、粘液で濡れた指を俺の口に入れてきた。反射的に思わずしゃぶりつく。耳元で照が笑った。
「美味しい?翔太の?夢中だね。それに……気持ちいい?ココ?」
「ああっ!!」
グリッと、突き上げられたナカの感触に、思わず声が出る。
「ソコ、気持ちいい……ねぇ、もっと突いて。意地悪しないで、めちゃめちゃにしてぇ……」
「可愛いね翔太。……こんな可愛い翔太知ってるの俺だけだよね?」
「当たり前だ……ろっ!!…ねぇもう無理。もっと強くちょうだい……」
「こう?」
「ああっ!!!…そう。好き……それ、好きぃ……」
いつの間にか涙でぐちゃぐちゃにされた顔を、照は窓を鏡がわりにして確認すると、まるでそれが合図であったかのように、俺が気を失うまで、むちゃくちゃに腰を動かしてきた。
「翔太、あんまり締めないで…。奥まで届かないよ…」
そんな切羽詰まった声を最後に聞いた気がする……
◇◆◇◆
気がついたら、体はすっかり綺麗にされて、俺はベッドに寝かされており、照はいなくなっていた。関係を隠しているから、朝まで一緒にはいられない。きっと後始末を済ませて自分の部屋に帰ったんだろう。
ベッドサイドを見ると、枕元にはペンで走り書きが置いてあった。
『俺だけを見てろよ』
力の入らない手でメモを握り潰すと、俺はそのまま、もう一度目を閉じた。ライブ二日目はもっと酷いことになるのだが、この時の俺はそれをまだ知らないでいた。
コメント
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二日目の短編も、楽しみにしております☺️💕


💛💙待ってましたぁ🥰🥰🥰 ヤキモチひーくんからの イチャイチャ最高✨✨✨