テラーノベル
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橙×青
深夜の飲み屋街を抜けた、街灯のまばらな帰り道。
いふの足取りは、もはや「歩いている」とは言い難いものだった。右へ左へと大きく蛇行し、その度にないこやゆうすけの肩にどっぷりと体重を預ける。酒の匂いを全身から漂わせ、視線は定まらず、口元からは意味をなさない呟きが漏れていた。
🤪「……なぁ、……もう一杯……いけるって……」
🦁「いけるわけないやろ、顔真っ青やぞ」
ゆうすけが呆れて支え直した、その直後だった。
いふの顔が急激に強張り、喉の奥が不自然に大きく上下する。
🤪「……あっ、……やば……」
🍣「え、ちょっと待って、まろ!?」
ないこが異変に気づいた瞬間、いふは弾かれたようにメンバーの腕を振りほどき、歩道の端へと崩れ落ちた。
深夜の静まり返った通りに、いふの重苦しい足音だけが響いていた。
🤪「……う、……おぇっ……」
突然、いふが膝をつき、街路樹の根元に激しく突っ伏した。
🍣「おいまろ! 大丈夫!?」
ないこが背中をさすろうとした瞬間、「ゴボォッ!」という生々しい音と共に、いふの口から未消化のアルコールと食事が一気に溢れ出した。アスファルトの上で激しく飛び散り、酸っぱい独特の臭気が夜の空気に一気に広がる。
🤪「……げほっ、……うぇぇ……っ、……ごほっ」
胃の中のものをすべて絞り出すように肩を震わせ、いふは涙目で地面を見つめていた。口の端から細い糸を引き、熱い吐瀉物から白く不気味な湯気が立ち昇る。
🤪「……ふぅ、……あー……。……出た……全部出たわ……」
いふはふらふらと立ち上がったが、胃が空になった途端、今度は下腹部に強烈な圧迫感が襲いかかった。
🤪「……待って。……今度は、……下……」
🦁「は? まだなんかあんの……って、おい!!」
ゆうすけの制止も間に合わない。いふは吐いたばかりの現場からわずか数歩、今度は電柱の陰にフラフラと歩み寄ると、おぼつかない手つきでベルトを外した。
🤪「……っ、……ふぅ、……あぁぁ……!!」
ジョボボボボボッ!!
吐瀉物の臭いが漂う中、今度は激しく地面を叩く、熱を持った排泄の音が重なった。
アスファルトの上を液体が勢いよく走り、吐いたばかりの塊を飲み込むようにして、どす黒い川を作っていく。
🐰「うわ……最悪や。上からも下からもマーキングしとるやん……」
しょうが顔を背けて絶句する。街灯の下、いふの足元では、吐瀉物と尿が混ざり合い、ぬらぬらと光る不浄な池が広がっていた。立ち昇る生温かい湯気が、いふの顔を白く包み込む。
🤪「……じょぼ……、……じゅわわ……、……っふぅ……」
出し切るたびにいふの身体が小刻みに痙攣し、最後の一滴が滴り落ちるまで、彼は恍惚とした表情で虚空を見つめていた。
🤪「……っ、……空っぽだ。……俺、……今、……無敵……」
🍣「無敵じゃなくて無職になるわ! こんなの見られたら!」
ないこが呆れ果てて、いふの襟首を掴んで強引にその場から引き剥がす。
「ジィィィッ」と響くチャックの音。
いふの靴底には、自らが生み出した汚物と液体がべったりとこびりつき、歩くたびに「ネチャッ……ネチャッ……」と、この世のものとは思えない不快な音を夜の道に刻んでいった。
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