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罠にハマってしまった
「ようし、これで悪魔執事を眠らせて・・・」
「これで悪魔執事は痺れて動けなくなる・・・」
「さて、毒矢の準備は良いな・・・」
全く接点のない貴族たちはとあるパーティーで同時に悪魔執事達への嫌がらせを決行していた。
そして、不幸なことに主がそれを全て食らってしまったのだ。
まず、痺れ薬(遅効性)の入った飲み物(執事の毒見済み)を飲んでしまった。
執事は少量だったため効果が出ず、飲み物に混ざっていたことに気づくのが遅れた。
そして、睡眠薬入りの酒を貴族に勧められ、断れずに飲んでしまった。
意識を失った主を慌てて休憩室に運んでいると、毒矢が主の腕に刺さってしまった。
毒がトドメとなり、主は休憩室で死亡確認された。
「何故だ、どうして主様に・・・」
「ハウレス君・・・君に当たっていたら取り返しがつかなかったかも知れないんだよ・・・」
「しかし、主様を殺して自分が生き残るだなんて嫌です!!」
ルカスは泣きながら主に縋るハウレスを宥めていた。
今回使われた毒は殺意が籠もっていたらしく、かなり強力なものだった。
さらに、執事達の首の高さに合わせて設置されていたらしく、おぶっていた主の腕に針が刺さっている。
これを執事が受けていたら、耐性のない者であれば最悪死んでしまっていただろう。
今回ばかりは、主の体質に感謝するしかないだろう。
いつも通り目が覚めた主は泣いているハウレスを慰め、ルカスに死因を聞いた。
『あ〜・・・やっぱり変な人に勧められた酒は断らないとだね・・・』
「はい、そうですね。
あと、今度からはずっと執事が付いているようにしましょうね」
『そう?過保護じゃない?』
「いいえ、このくらいしませんと主様が死んでしまいます!」
『そ、そうかぁ・・・』
主は納得できていない様子だったが、事実なので何とか頷いてもらった。
一方、毒矢を仕込んでいた貴族は主に矢が刺さったのを見て悲鳴を上げそうになっていた。
絶対に殺してしまったと思って非常に怖かったが、馬車に乗り込む主を見て一安心するとともに、主に毒の耐性があると誤解したのだった。