コツンコツン
僕は今廃校にいる。
足音のよく響く廃校にね。
ガラガラ
教室に入ったら何かが通ったような気がした。
恐る恐る後ろに振り向く。
「ぇ、?」
声が出てしまうほど驚いた。
だってそこには
「琥珀?」
そう、琥珀がいたから
「流歌、」
琥珀は僕の名前を呼んだ。
震えた声で。
「どうしたの?」
そう聞くと予想外の言葉を口にした。
「逃げて……」
と、震え、霞んだ声で言われた。
そう、彼はマリオネットのように体を操られている。
部屋に大きく鋭い音が響き渡る。
よけれただけで運がいい。
琥珀はエイムがいいから。
「琥珀……」
琥珀のいる方に顔を向けた。
泣いていた。
普段は泣かない琥珀なのに……
よっぽど僕を傷つけたくないんだ。
「……私ね、琥珀が大好きなんだ」
「!?」
私と言うのが恥ずかしかった。
でも仕方ない、今日だけな。
「お、れも、流歌が、大好き」
「え、?」
「でも、もう持ちそうにないや……」
そんなに笑って言わないで……
ねぇ、生きてよ。
その瞬間、俺の視界は黒くなった。
《そっか、死んだのか……》
『流歌を見守らないと』
『そうですね』
「琥珀!琥珀ぅ!」
何度も声を掛けた。
でも、目を覚まさなかった。
第4話~完~
次回:天国って……
コメント
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うわぁーーーーーん(´Д` )