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『占い師を占いたい』
あの日から、しゅーとさんのあの顔が脳に焼き付けて1秒たりとも離れない。誰かを想っている、あの切ない顔。占えるものなら俺が占って楽にさせたい。俺なら悲しいと思わせないようにする、と思いながらも現実ではそう上手くいかない。
今日もしゅーとさんのテントに来た。いつも通り占ってもらっているが、あの日見せた顔は幻だったのか、というぐらいあの顔の陰はない。
h.m. 誰を想っているのですか?
s.m. …え?
しまった。ド直球に質問してしまった。しゅーとさんが傷ついてしまったかもしれない。
だが、思っているよりケロっとした感じで。
s.m. 恋人です.
聞きたかったけど聞きたくなかった答え。知りたかったけど、知ってしまったら自分が傷つくと思っていた答え。ドンピシャで返ってきた。
表情には出さず、静かにダメージを負っていたが、ふと、疑問に思った。恋人がいるのなら、あんな悲しい顔はなんだったのだろう。喧嘩でもしたのかな、なんてこの時は軽い考えでいた。
h.m. …そうなんですね.恋人とのいらっしゃったんですね.
s.m. 恋人…まぁ、はい. 周りから見たら恋人なのかもしれないですね.(小声)
h.m. …?すみません、最後の方聞き取れなくて.
s.m. 大丈夫です.
???なんだったんだ?複雑なのかな?どんな運命に縛れてるんだよ。あー、しゅーとさんと付き合える世界線、いいなぁ。
そんな風に思いながら占ってもらうのも終わりに近づいていた。
h.m. あの、何かあれば僕に頼ってください. って言ってもつい最近知りあって、しかもお客の立場なんですけど. なんていうか放っておけなくて.
s.m. え.?
h.m. だって、さっきからずっと涙流れてますよ.
s.m. え、あ、ほんとだ. すみません. 気付かなくて.
h.m. ぼくが占って少しでも支えになれたらいいんですけどね.笑 そんな力ないんで、せめてお話だけでも聞かせてください.
s.m. あ、ありがとうございます.
h.m. いつでもお話聞くので、良かったら連絡先交換しませんか?
s.m. はい、じゃあ、お願いします.
こうして連絡先の交換に成功した。あの涙はいったいなんだったんだろう。これを知るのは意外と早いのかもしれない。
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