そうして、久しぶりに阿部ちゃんが家に来た。
ご飯を一緒に食べて、会わなかった間に録りだめたバラエティを見て笑い転げた。
寄り添っても阿部ちゃんは驚かなかった。
🖤「そうだ、指輪」
大事にしまっていたケースを持ってくる。
箱を開けて、中にエメラルドの指輪だけが入っていたのを見て阿部ちゃんの表情が一瞬曇った。
何を気にしているか察する。
🖤「これ。また着けてくれる?」
💚「うん……」
🖤「あとブラックダイヤの指輪、ちゃんと着けてるよ、今も」
💚「えっ?」
指を確認して、ついてないじゃないかという顔で見る。
俺は服の中に隠して首から下げていたネックレスを見せた。
🖤「ここ」
ネックレスの先に指輪。
阿部ちゃんが呆気にとられた顔をするので
🖤「阿部ちゃん俺の指のサイズさ、自分とそんな変わらないと思ってた?小指にも通らないんですけど」
と手を見せながら言うと、あるまじきミスに気づいたようで真っ赤になった。
💚「えっ、違うの?えっ?」
本気で勘違いしていたらしい可愛い人。
俺が阿部ちゃんの指のサイズをリサーチなしで当てたことにいたく感激していたから、同じ事をしたかったんだろうなと思うだけで愛おしくて仕方がない。
🖤「あと魔除けって教えてくれたけど、ブラックダイヤの指輪は『不滅の愛』って意味合いもあるらしいね?何でそっちは教えてくれなかったのかなぁ」
💚「もうやめてよぉ……」
🖤「うそうそ。あんな時にそれ言えないよね、ごめんね。これめちゃくちゃ嬉しかったよ、気に入ってる」
赤い顔を覆う阿部ちゃんの髪を撫でると頭を押し付けるようにしてすり寄ってきたので、たくさん撫でておいた。
指輪だって本当はこんな形で渡したくなかっただろうに、阿部ちゃんは何も言わない。
『渡し直すから返して』くらい言ってもいいのにと思うけれど、すぐに変わるのは難しいと本人も言っていたからこのまま持っておく事にする。
唇がまた触れ合えるのはもう少し先になるだろうけど、それでもいい。
今は、世界で一番大切な人とまた寄り添えて、その指にまた指輪が戻った事だけで充分だ。
終
コメント
6件
一話からずーっと胸が痛かったです😭仲直りしてくれてほんと良かったぁ😭胸痛くなるんですけど、こーゆうお話めっちゃ大好きです😭💕次も楽しみにしてます🖤💚✨
よかったー🥹 想い合うがゆえに…途中泣きそうになっちゃった🥲
阿部ちゃん、天然なのかわいいよね💚 朝から最高でした、ありがとうございました🥰🥰