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気付けば 僕は深い眠りに落ちていた
夢の中で ゆっくりと目を開けると
その空間には 僕は一人しか居なくて
怖いと感じてしまう程
静かで何故か威圧感があった
「此処は……」
周りを見渡すと そこは至って普通の病室で
特に変わった様子も無い
だけど微妙な違和感が
脳内を こびり付いて離れない
それに思考に薄い霧が掛かっていて
見た事もあるのに 至近感も あるのに
何故か その違和感だけが
頭の中を浮遊していて
その違和感の正体が〘分からない〙
「…ッ………」
何故だろう
何故 こ んなに胸が苦しいのだろうか
「……はぁ…ッ……はぁ……ッ……はぁッ…」
何故 息が出来なくなってしまうのだろうか
「ッ………」
苦しい
怖い
辛い
誰かに助けてもらいたい
感情の波が一斉に押し寄せてきて
何が〘正しく〙て
何が〘間違い〙なのかが分からなくなる
「ッ…………な…ん…ッで…」
こんなに悲しいんだろうか
なんでこんなに 悲しいのに
涙が一粒も流れでないのだろうか
僕は…普通じゃない
普通じゃないからこそ 皆が求める 理想という
【 普通】が羨ましくて仕方がない
「……誰か…ッ……助けて……よ…ッ……」
その言葉が誰かに届く事はない
永遠に
そう 永遠に伝わる事も
誰かに話す事も出来ないだろう
それでも この場所で吐き出す事が出来るのは
此処が【夢】と言われる 牢屋だからだ
今日はやけに天気が良かった
空には雲一つ浮かんでおらず
清々しい程 綺麗な天気だ
この様な天気を皆は「快晴」と呼ぶ
«私»は
朝食の苺ジャムを沢山塗りたくった食パンに
齧りつきながら 天気予報を見ていた
「…今日は晴れか…」
少しだけ残念そうに また一口 食パンを齧る
正直に言うと 此処最近は ずっと晴れで
太陽が眩し過ぎる程 輝いていて直視出来ない
というか…まず直視したら駄目なんだけど
自分にツッコミながら 口の中に残った
苺ジャムの甘ったるさを消す為に
牛乳を三口程呑んだ
うん…まぁ 普通に美味しい
牛乳は 牛に乳と書いて牛乳と書くけれど
実際 真っ白な牛乳は 血液らしく
白色を赤色に返還すると
かなりグロテスクな光景が思い浮かばれる
そして その思考と共に浮上してくるのは
【吸血鬼】という都市伝説上の生き物だ
牙が鋭く、血が大好きな獣で
他の人達はよく 面白がって
吸血鬼の格好をしたりする
でも、私は どうでもよく思う
だって そんな格好したって
それにはなれないから
【ずきっ】
「……ッ……」
腕についた新しい傷跡が、悲鳴をあげた
その痛みからは逃れられないし
治るまでその傷を守らないといけない
でも 私には無理だ
だって_
「私は…”ナルコレプシー”だから…」
〘ナルコレプシー〙
別名«居眠り病»と呼ばれるこの病は
日中場所を問わずに、激しい眠気に襲われる
そしてこれの厄介な点は、他の人からは
ただの”居眠り”に見えるという事だ
居眠りに見えるからこそ
その人がただの怠け者のようにも見えてしまう
私の母は それを知らない
だからこそ 私がただ単に
【沢山怪我をしてしまう”手間”のかかる娘】
という認識をされているだろう
だからこそ…私は何も話さないし
何も言わない
だって 言ってしまえば 言う前には戻れない
そして言ってしまえば おそらく母は
〔自分を追い詰める〕
〘何故今まで気付けなかったの?〙
〘娘はこんなに辛い思いをしてるのに〙
〘私が何とかしてあげないと〙
そんな風に 要らない気遣いをする
そんな要らない気遣いなんて されたくないし
して欲しくない
今までの”普通”の親子という関係が
壊れて欲しくない
何時もどおり 何気に話したり
馬鹿みたいな事で笑いあったりしたい
だから 私は 普通のフリをして
仮面を被る
母の前で 寝そうな時は
すぐにその場を離れてから 眠りにつく
そして この行動を見た人は皆 口を揃えて言う
「「「白雪姫みたい」」」
その言葉は 私にとっては
呪いの様な物で、
聞いても 影で言っている所を見ても
何も知らないふりをする
そして愛想良くする
本当に
「くだらない」
ゆっくりと目を開くと
そこには 見慣れた天井が見えた
「……嗚呼…僕……起きたんだ」
夢の中とは違う光景に
現実という言葉をしみじみと感じた
「…何時だろ…?」
重い身体を動かし 目覚まし時計に視線を移す
現在時刻は 6時39分
そして 今日は 学校の日
憂鬱な気分に負けないように ベッドを降り
灰色のカーテンを開ける
「しゃっ!」清々しい程 心地の良いその音は
目覚め時計と同じぐらいの価値があった
柔らかい太陽の光を受けていると
少しだけ 憂鬱な気持ちが和らいだ
「……学校行く準備しないとな…」
僕は カーテンを閉めてから
着替えてから 寝癖をくしでとかし
階段を降りた
徐々にリビングが近付いてくると
味噌汁の味噌の香りがふわっと匂った
僕は慣れた手つきで リビングのドアを開け
キッチンで朝食を作ってくれている母に
「おはよう」と軽く挨拶をした
すると母は、にこっと笑ってから
「おはよう 暗和 もう少しでご飯出来るからね」
と優しい声で僕の席に
出来たての味噌汁を置いてくれた
「うん ありがとう」