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目を覚まし、周囲を見る…見慣れた景色…見慣れた場所…見慣れた服…見慣れた人々…もう…存在しない命…それはまるで「嘘」のように…僕の目の前にいた…
「どうしたのでござるか?」
「そうだぞ~、いつも…僕も手伝います!!!とか言ってるのに、体調でも悪いのかぁ?」
そこには…「丹羽」がいた…僕の家族…僕の友人達…
「いえ…なんでもありません…ただ頭が痛くて何故か頭の中にうっすらと声が響くんです…」
「声?一体どんな声でござるか?」
「そうだぞ、なんて言ってるんだ?」
「うっすらで聞こえないんですけど、丹羽って声が響きます…あと…消えた…命?と…」
「…拙者の名前でござるか?」
「妖魔にでも取り付かれたのでないか?」
「わかりません…ただそう聞こえて、それと…声がとても冷たく、でも何処か震えてるような声です」
「……更にわからぬな…」
「そうだなぁ」
「ぼ…僕は平気です、ほら…いつものように夕食の支度をしましょう…」
「お主が良いなら良いが…無理は禁物でござるよ…」
「はい、」
丹羽に心配かけないように…嘘をつく…でも…不安で仕方ない…頭では声が時々響き、時々まるで誰かに意識を取られるような感覚になる…
「…今日の夕食はサラダに味噌汁、川で釣った焼き魚でござるよ、それともらってきた和菓子もあるでござる、」
「わぁ、美味しそうですね、」
「夕食には合わぬゆえ、後で和菓子はいただくとしよう…」
「はい、」
「それじゃあ…」
「いただきます」2人
そして2人でそう言い、いつものように食卓をした…暖かくて温もりを感じる懐かしい味…
「美味しいです」
「それなら良かったでござるよ!」
「はい!」
そしてまたいつものように丹羽の隣で眠る…
「もう戻らない…未来も…過去も…何もかも変えられない…」
そんな言葉が転がってる時に響く…
「僕は…ひどい事を……」
誰…誰の声?
僕の頭の中で喋ってるのは…誰…ですか?
そんなことを思っていたら、抱き締められる感覚がした…
「え…?」
「傾奇者も…疲れているのでござるな…」
「丹羽?」
「拙者も確かに何もできぬかもしれぬ…でも話を聞くことくらいはできるゆえ、悩みがあるのなら話してみてはどうでござるか?」
「悩み…ですか?」
「そうでござるよ、お主も…そして拙者も一つくらい過去や嫌なことはある…そして拙者はもうお主を家族のように思っている…困ったことがあれば助けたい…」
「…僕は……僕は平気です、 」
頼りたかった、秘密なんて…嘘なんてつきたくない…でも…自然とこの事を話したくない気持ちになった、まるで誰かに操られてるみたいに…
「そう…でござるか…それなら良いでござる、じゃあ今日は遅いゆえ、もう寝よう、おやすみ…傾奇者」
そして丹羽は優しくて微笑んでくれた…
「はい…お休みなさい…丹羽…」
そして僕も寝た…そして暗闇の中…青い服に青い笠を被った男性と会った、それはまるで僕と同じ姿…
「やぁ…もう一人の僕」
そして彼はそう言った
「貴方は…誰?」