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第2章 『 再接触 』 2話 。
アタルの家に足を踏み入れた瞬間 、
アイジは1歩だけ躊躇した 。
( なんだ…めっちゃ久しぶりの
はずなのに… )
初めてじゃない 。けど 、記憶より
ずっと静かで 、綺麗で 、整ってる 。
空気すら変わった気がする 。
落ち着いていて 、それでいて
どこか ______ 用意された感じ 。
星名 . /
「 …ここ 、前とちょっとちげぇ…
気がする… 」
ぼそっと漏らすアイジの声と視線が 、
部屋の中を泳ぐ 。
どこに何があるのか 、自然にわかる
自分にふと気づいて 、目を伏せた 。
( あれ…俺 、こいつんちの間取り
こんなに覚えてたか ……… ?? )
本棚の配置 。机の上の文具 。
小さなフィギュアと 、
あの頃大好きだったゲームのソフト ____
” どれも綺麗に 、正しく置かれている 。”
アタルはその様子をじっと見ていた 。
そして 、ごく自然に問いかける 。
柏木 . /
「 どうしたの…? 」
その優しい声に 、アイジは一瞬肩を
跳ねさせた 。
星名 . /
「 な…なに 、が 、?? 」
その返しがあまりにもわざとらしくて 、
自分でも恥ずかしくなる 。
けど 、アタルはそれを咎めることなく __
そっと 、口角を緩めて微笑んだ 。
ほんの少し 。
「 かわいい 」 とでも言うような目で 。
けど 、すぐ目を逸らして 、背中を向ける 。
柏木 . /
「 … 勉強 、しよっか 」
星名 . /
「 …お 、おう 。 」
アイジは少しぎこちなく 、
アタルの机の横に腰を下ろす 。
勉強は最初 、普通だった 。
アタルがわからないところを聞いて 、
アイジがぶつくさ言いながらも 、
ちゃんと説明をして ____
でも 、ふとした瞬間 。
プリントを取ろうと身を乗り出した
アタルの体が 、アイジの肩にわずかに
触れた 。
星名 . /
「 っ… 」
その瞬間 、アイジは ____ ほとんど
反射のように ” すっ… ” と距離を取った 。
ごく自然に 、でも確実に 。
” 触れる ” という行為に対して 、
明らかに動揺を示していた 。
アタルの目が細くなる 。
( …恥ずかしいのかな 、もしかして 、
アイジって意外と …初心? )
そう思った瞬間 、胸の奥でなにかが
” 弾けた ” 。
嬉しさにも似た感情 。
( もっと …動揺させてみたいな )
アタルは机の下で 、そっと拳を握った 。
まだ笑顔は見せない 。けど 、その中で
” 支配の手応え ” を確かに
感じ始めていた 。
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹 ______ 。
コメント
5件
やーれやーれやーれ
おーwじわじわと焦らしてく系ね!
定期考査終わって久しぶりの更新 まだまだ焦らすよゴメンネ