TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

すると楓がジャーと便器の水を流し何事も無いように出て行った。私は僅かばかりのドアの隙間に身を隠し、乗り切る覚悟を決める。この個室は入り口から一番奥…… 3人からは丁度中までは見えない、死角に位置するのが幸いした。


「あら、これは楓さん、ごきげんよう。随分と失礼しました。いらっしゃったのですね? 」


「えぇ、ギャーギャーと、お蔭で落ち着いてゆっくりも出来なかったけど」


「ふん、流石万年No,3の楓さんですこと。おトイレでサボってらっしゃるなんて余裕ですね? 」


「はぁ⁉ あんた誰に向って口聞いてるのよ!! 」


「あ~ハイハイ。所でこれなのですが、まさか貴女の物では無いですよね? 」

京華は口元を掌で隠し、汚い物から目を背ける様に足元を指差した。


「うぇ、何それ…… 汚なぁ…… それこそ貴女の趣味じゃないの? 私そんな子供っぽい下着、趣味じゃないし。何それウケるんだけど熊さん? 」


―――クッ、かっ楓めぇ……


すると扉がまた開くと、ピンク頭のリリアが現れた。

「お~ちゅッれ~すぅ。お~じゃま~しま~すぅ」


(あんたお兄ちゃんのヘルプどうした? おい)


ぴんくつむつむリリアちゃん、張り詰めた空気も何《なん》の其《そ》の。ドタドタと所構《ところかま》わず元気いっぱい奥まで突っ走ってくると、私が隠れている個室に飛び込んで来た!!


―――げぇッ⁉


咄嗟に口を塞ぎ引《ひ》き摺《ず》り込むと、バタンと扉を鳴らし鍵を閉めた。なにこれ犯罪じゃん…… 私はレイプマンか⁉


バタバタと鯖の様にビチビチ暴れまわるピンクツムツムの眼前に、指を立て静かにしろと促した。


「楓さん貴女《あなた》ずいぶんと野性的なルージュの引き方をなさるのね。まぁ変人の貴女にはお似合いだこと。スイカでも食べたの? 」


―――そりゃあね。ラクダぺろぺろ妖怪垢嘗《あかな》め君だし。


「お手数ですが、その汚い物はゴミ箱にお願いしますね」

そう言い残すと京華は金魚のフンとトイレを後にした。


「ちょっ⁉ 何で私が…… チッ」


――チッじゃない! 原因は君だよ⁉


モゴモゴと涙目で訴えるツムツムを野に放つと……


「えぇ~ やだぁ、いちかちゃんて、そう言う感じなんですかぁ?」


「そう言う感じって…… なに?」


「もぅ~ ぐっしょぐしょ~ だぉ~」


―――ハイ⁉

キャバクラと言う異世界で冒険者を始めたら成り上がり女傑譚になってしまった件

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

3

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚