テラーノベル
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第9話
次の日の朝。
僕は行く当ても無いので森に行くことにした。町はさっすがに歩けないし、高台に昇ってぼんやりしているのもどうかと思うし、結局僕には木漏れ日の下で剣を握っているのがしっくりする。
魔獣も北の方は強い。寒さに耐える方が過酷なのだろうか? 野生魔獣事情は分からないけど、きっと寒さだろう。
ゴブリンは普通だけど、その他の熊とかは比べ物にならないような強さだ。怪我はしなかったものの、かなり手強い。
分からないけど、行き場がない人はこうるのか……
そう考えながらシルバータイガーを倒した。シルバータイガーは群で来なければ全然、強い魔獣にはカウントされない。
そう考えてたけど、思ったより強い。途中でゴブリンは茶々を入れてくるし、思った数百倍、危険な森だった。
僕はもう無理だと思って町に戻ったけど、それはそれで視線が耐えられない。
小柄という事もあるだろうけど、第一番として魔力の無さだろう。
魔力も無いけど、背が他の人より一回りくらい小さいのだ。だからアニカは年下だけど、アニアの方が背が高い。
頼られているのかなって不安になるけど、彼女は遠慮する事は殆ど無い。偶に僕の事を思って気を使ってくれたりするけど、その他は全然軽く接してくれるから僕も話しやすい。
そう考えながら結局、宿屋に戻った。
三人で一部屋を借りているけど今の時間、他の二人はどこか行ってしまっているので一人だ。
やっぱりこれが落ち着く……
僕は布団にダイブしてさっきの疲れを癒した。
夕方頃に僕はあれから寝てしまった事に気が付いて飛び起きた。
まだ、アニカも特訓していたのか、それとも一人で街を歩いているのか分からないけど、二人も宿屋には居なかった。
僕は立ち上がって背伸びをしてから宿屋を出た。
外に出ると、若い男性二人に絡まれていたアニカがいた。アニカはふり離そうとしたけど全くびくともしない。周りには立ち止まっている人たちがいる。
良く見ると、男性二人は刃物を持っている。上質な物だ。
僕は生唾を飲んだ。だけど、僕の仕事が何かを考えてから丈夫そうな木の枝一本を片手にアニカに近寄った。
どちらにしろ、変な視線は遮れないけど今はそんな事を気にしている場合では無い。
「ロルフ! この人たちっ!……」
そう言いかけたところで一人の男性に殴られてアニカはあいつらの腕の中でぐったりとした。
僕は手に力が入ってしまった。
あいつら……舐められた……
一人の方に足首に素早く木の枝を当てて、もう一人の方には脇腹を木の枝で突いた。
相手も刃物を取り出して僕に向かって振り下ろした。あいつらは掠るとかそんな事は出来ずに呆気なく僕の攻撃に倒れた。
アニカを掴んでいた手を離した。僕はアニカを直ぐに支えてあいつらを拘束した。人前で殺気を放ってしまった気がしたけど、こればかりはしょうが無い。
後ろからも殺気がした。僕が後ろを向いたら刃物を持った男がもう一人いた。
そいつは僕たちに向かって刃物を突きだしたけど、木の枝で手首を突かれたら直ぐに刃物を落としてしまった。挙げ句の果てには僕に軽々しく拘束された。
男はちょっと木に縛り付けておいて、アニカを連れて宿屋に入った。
聖騎士の二人ももうそろそろ帰ってくる時間のようで少し酔っていた。
だけど、アニカの事をみてハッとした。酔いも覚めたように見える。
「アニカ姫。容態は?」「大丈夫か? 何があったんだ?」
僕は一から十まで説明した。
アニカは意識はあるけど朦朧としている。
でも、直ぐに聖騎士の一人が魔法をかけた。僕には何の魔法をかけたのか分からないけど、アニカに血色が戻った。
「姫。気分は?」
「さっきより大分良くなりました」
「ごめん……」
僕はそう言って俯いた。
「え?」
「さっき、直ぐに判断ができなくて……僕の判断ミスだった……」
「そんな事無いよ。ちゃんと私の事を護ってくれた。それに、直ぐに来てくれたじゃない。だからそんな事考えなくて大丈夫」
そう言ってアニカは僕の肩をポンポンと叩いた。
直ぐに……なのに、怪我を……
「もう、大丈夫なんだからそんな事気にしないで。いくら考えてもしょうが無いよ」
僕は俯いたまま頷いた。
聖騎士の二人はそんな光景を見て大丈夫と判断したのか、僕の拘束した三人の処理を行うのに出ていった。
僕たちは早めに布団に入って寝た。夕方も寝たけど疲れがどっと出てまた寝れた。
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