テラーノベル
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「……今日はもう、最初から一緒のベッドで寝てくれない?」
アトリがマコトの寝間着の裾を引く。
「…なに、怖い夢を見るから?」
からかうように言うと、アトリは神妙な顔で頷いた。
「……いいよ」
自分の枕を、隣のベッドに並べて置く。
明かりを消すと、雪がやんで月が出ているのか、窓から雪明かりがぼんやり射し込んでくる。
「晴れてるなら、だいぶ夜中は冷え込みそうだな」
二人で同時に蒲団に潜り込む。
闇に目が慣れてくると、隣に横たわるアトリが目を伏せているのが見える。
「悪夢も怖い。でも、怖い夢を見て、何か思い出しそうなのも怖い」
マコトは蒲団を引き上げて、二人とも完全に頭の上までくるまるようにした。
「隣にはオレしかいない」
耳元で、囁くように言う。
「現実をしっかり感じながら寝ろよ。他の誰かが出てきたら、それは夢だ」
「……ほんと、マコトっていいお医者さんになりそう。言葉の安心感が凄いよ」
マコトの肩に、アトリの頭が寄せられた。
泣き笑いのような声。
少しは気が紛れただろうか。
「もし、怪我が治っても記憶が戻らないままで、身元も判明しなかったら、オレと一緒に来るか?」
「まだ知り合って何日も経ってないのに、プロポーズ?」
「そんな訳あるか。……まあ、当面は養ってやれると思うけど」
既に色々収入もある。二人分くらいなら何とかなるだろう。なるべくリラの影を感じる場所からは遠ざかって暮らしたい。
「えー。……じゃあ養って貰おうかな」
腰の辺りに、アトリの腕が回される。衣擦れの音に、何だか胸がぞくぞくした。
「当面だぞ?いずれは仕事しろよ?」
随分身体が密着している。
今離れようとするのも、意識していると思われそうで癪だ。マコトの方は背中に腕を回して、包帯が巻かれていない辺りを昨日のようにトントン叩いた。
「もう寝よう。おやすみ」
そうやって眠れないまま、一時間ほど経った頃。
唐突に変化が起こった。
「アトリ…背中が……」
自分の背中は見ることが出来ないが、何かを感じ取ったのか、アトリが身じろぎする。
背中の魔法陣が、淡く光を放っていた。入院着の上からでもはっきり形が見えるほどの明るさだ。それは、魔法陣の線をなぞって次第に明るさを増して、やがて二人は、ヴェールのような光に包まれた。
「転移魔法陣……」
そうアトリが呟くのとほぼ同時に、空間が大きく歪んだ。
次の瞬間、冷たい床の上に着地した。
「…痛っ」
正確には、アトリがマコトの下になって、床に背中を打ち付けたらしい。
「ごめん、大丈夫か?」
「多分……だけど」
アトリは身を起こしながら、辺りを見回した。マコトの方も周囲をぐるっと観察する。
床には、アトリの背中にあったのと同じ魔法陣が描かれていた。
「……今の衝撃で、色々思い出した」
どこか常にぼんやりしていた彼の表情が、わずかに変化した気がした。
マコトは腕を掴んで引き寄せられ、肩を強く抱かれた。
「俺から離れないで。マコトだけは、何とか助けるから」
切実な表情で見つめてくるが、マコトは一応確認した。
「何とかって……最終手段は何?」
「えーと、建物壊して出る」
随分な強行手段だ。二人とも何も持っていないのに、どうやって?
「おまえも充分危険人物だったってこと?」
腕の中から逃れようとしたが、アトリはそれを許してくれなかった。
ふわもちお餅
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羽海汐遠
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麗太
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コメント
1件
ああ〜〜もうエモすぎて胸が苦しい!!😭💕 アトリが「最初から一緒のベッドで」ってお願いするところとか、マコトの「隣にはオレしかいない」って囁き…完全にキュン死コースじゃん!! しかも転移魔法陣で急展開、アトリの「俺から離れないで」って切実な目がまた…!! 建物壊して脱出しようとするのちょっと笑ったけど、それだけマコトを守りたいんだね。二人の距離が一気に縮まった回、最高でした🔥✨