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???「はぁ……今日から学校かぁ」???「雨花!おはよう」
「雨花」、「桃時」は夏休み明けの学校へ向かっていた。
雨花「サボろうかな〜」
桃時「あんたいつになくダルそうね」
雨花「だって夏休み明けの学校嫌いなんだもん生活リズムを整えなきゃだしさ〜」
桃時「まぁ気持ちは分からなくもないわよ」
雨花たちは教室へ向かう。
雨花「よしっ!サボろう!」
桃時「はぁ!?早速?!」
雨花「だってめんどくさいんだもん〜」
雨花は教室に着くと、荷物を置いて、小雨丸が入った鞄だけを持っていき、出て行ってしまった。
桃時「清々しいほどのなまくら坊主ね」
桃時は席に着いて机で先生が来るまで突っ伏して寝ることにした。そして、授業が始まる。
「あら、雨花さんは?もしかしてまたサボりですか?!」
「「そうでーす」」
「「そうでーす」じゃない!!何故サボり魔を止めようとしてないんですか!?クラスメイトでしょ?!」
「うちの学校が協調性なし、自己中心的なのは今に始まったことじゃないでーす」
「ぐぬぬ……ちょっと桃時さん!あなたが一番雨花さんと仲良いわよね?何で止めないの!!」
桃時「……ん?すみません。何の話ですか?」
「はいもういいです。授業を始めますよ!」
夏休み明けの授業はいつも以上にどんよりとしていた。
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雨花「…………んーん!よく寝たぁ、ふぁ……」
???「あっ!雨花さん!やっぱりここにいたんですね!」
???「またサボったのかよ。お前」
???「あまりサボりすぎるなよ。雨花」
ここは、生徒会室。「橙」、「兎白」、「瑠璃人」が放課後になったため、来たのだ。
桃時「こいつがそんなこと聴くたま?絶対これからもサボるわよ」
桃時も着いた模様。
雨花「今日はいつもより早いご到着でやんすね〜」
雨花はもみ手をしながら橙たちに近づく。
橙「もう誤魔化さないで下さい!今日は兎白さんから大事な話があるそうですよ?」
雨花「大事な話?」
兎白「あぁ、俺は前々から雫さんから言われてたんだが、実は……」
「「転校生が来るらしい」」
桃時「転校生?」
瑠璃人「え!マジっすか?!どんな人なんすか?」
兎白「これが資料だ」
兎白は資料を橙たちに渡す。
橙「え」
雨花「なるほど」
桃時「あらぁ」
瑠璃人「へぇ〜」
資料に記載されていた写真は、バリバリのギャルの女の子だった。
雨花・桃時「超可愛い!!!!」
瑠璃人「すげぇ!めっちゃメイク濃っ!」
兎白「クラスは、紅緒と海音のいるクラス。仲良くしてやってくれ」
橙「…………」
雨花「……どうしたの?橙ちゃん」
橙「い、いえ!……あの皆さんはこの方のことどう想いますか?」
桃時「めっちゃ可愛いって想ったわよ?」
瑠璃人「オレは本当にこんなギャルいるんだって想ってぜひお近づきになりたい!」
兎白「俺は一度夏休み中に会ってるんだが、とても真っ直ぐな目をした人だと想ったな」
橙「そう、ですか……」
雨花「……それで?その子はいつ転校してくるの?」
兎白「明日だ。そして今日、校舎見学をしなくちゃいけないんだが、誰か行ってくれないか?」
雨花「……良かったら橙ちゃん。一緒に行かない?」
橙「え?私がですか?……でも」
雨花「どんな子なのか知りたくない?橙ちゃんが思ってる通りの子かどうか。知ろうとしてみるのも良いんじゃないかなって想ったんだ。もちろん無理にとは言わないんだけど!あはっ!」
橙「…………分かりました。行きます」
兎白「じゃあ雨花と橙で行ってきてくれ。もうそろそろ学校に着くはずだから」
雨花「はぁーい」
橙「……分かりました」
雨花と橙は転校生を迎えに行くため、昇降口に向かった。
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雨花「橙ちゃん。苦手でしょ?転校生の子」
橙「やっぱり雨花さんには分かりますか……」
雨花「どうして苦手なのか聴いても良い?」
橙「幼い頃からずっと、ああいう派手な方とはお話しないよう言われていたせいかと」
雨花「……そっか」
橙ちゃんは小さい頃から
お母さんに”教育”されて過ごしてきた
それがきっと橙ちゃんの心に根強く残ってる
その残ってるものが偏見へと繋がってるんだ
でもそれを解くには橙ちゃん自身が
偏見の対象の人と関わるしかない
もし解けなくても無理強いするのも違う
橙ちゃんの意志を繋げなきゃ
???「ちょり〜す!あんたたちが生徒会の人?」
雨花「あの子だね」
橙「……そうですね」
目の前には長いつけ爪に、濃い化粧。ルーズソックスに茜色に染めた髪を持つゴリゴリのギャルがいた。
雨花「こんにちは!わたしは雨花って言います!」
橙「……橙です」
???「ワタシのことは知ってるよね?ワタシは光田(こうた)……じゃなくて、茜(あかね)って言います!よろしくね?」
「茜」は頭の近くでピースをして、ギラギラにデコレーションされたスマホを握って自己紹介した。
雨花「白ギャルって奴だね!可愛い!!」
茜「雨っちは、サブカル地雷系って感じだね!インナーが紫でゴリゴリのピアス!地雷系メイクめっちゃ可愛い!!」
雨花「えへへ!ありがとう!」
茜「だっちゃんは、オレンジ髪に黄色いメッシュ!超似合ってるよ!可愛い〜〜!!」
橙「……はぁ、どうも」
雨花「じゃあ早速、案内するね!」
茜「はぁーい!しくよろ〜」
雨花たちは、早速案内を始めた。
雨花「ここが昇降口で、あそこが図書室。真っ直ぐ進んで、突き当たりが職員室。分からなくなったら、この地図読んで」
橙「あぁ、それは生徒会で書いた地図ですね」
茜「えぇ〜!うっそ!こんなだだっ広い学校の地図書いたの?しかもすごく細かい!すごいね!」
橙「!、そ、そうですか?」
茜「うん!すごいよ!」
雨花「……ふふっ、じゃあ次行こうか」
引き続き案内を続ける雨花たち。
橙「ここが生徒会室です。」
茜「へぇ〜入って良いの?」
雨花「うん!生徒会はいつでも誰でもウェルカムだよ?……あの猫又を覗いて(ボソッ)」
橙が扉を開ける。茜も入った。
桃時「あら、あんたが茜?」
瑠璃人「うひょ〜モノホンのギャルだ!!」
兎白「茜。少し久しぶり」
茜「きゃあ!!あなたが桃っち?ふわふわの髪超可愛いよ!!」
瑠璃人「なぁなぁ!握手してくれよ!」
茜「え?別に良いけど。あぁ!あなたが瑠璃っちね!」
兎白「突然握手を求めたらびっくりするだろ」
茜「大丈夫だよ!兎っち!ここにいる人たちみんな優しそうだね?」
橙「何でそんなこと分かるんですか?」
茜「前々から兎っちから少し聴いてたし!ワタシがパッとみた感じだと……例えば瑠璃っちは、子供っぽい。兎っちは、天然。桃っちはツンデレ。雨っちは常闇。そして、だっちゃんは……」
「「苦手な人にも優しくしてくれる人!」」
橙「!」
茜「ワタシの人をみる目は確かなのだよ!まぁ性的な目でみる目はダメダメなんだけど……はははっ……」
橙「……分かってたんですね……」
知ってんだ
私が苦手意識を持ってるって
それでもあんなに優しい言葉をかけてくれた
雨花「橙ちゃん。苦手な人と無理して関わることは無いよ。でも、ほんの少しでもその相手のことを知ろうとしたいと想っているなら、知ろうとしてみても良いと想う。決して理解することは出来ないけど、知ろうとし続けることは出来るはずだから。それが共存への繋がりになると想う。もちろん共存は無理強いするものじゃないけどね」
雨花はウィンクして、橙をみつめる。
橙「……ふふっ。茜さんのこと認めるのは難しいですが、もっと知りたいって想えたような気がします」
雨花「あははっ!そっか」
「ちょっと!アタシの一体どこがツンデレなのよ!!」「でも可愛いところ!」「え////ふ、ふん!そんな手には乗らないわよ」「そういうところだぜ」「何がそういうところよ!このガキ!」「うるせぇ!ツンデレ女!」「とりあえず落ち着け。二人共」「この生徒会ゲロやばなくらい面白〜い」
こうして、雨花と橙の茜のための校舎見学は終わった。
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