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🖤side



🖤「阿部ちゃん、大丈夫?」

💚「無理。だめ」



会社に寄ったら、社員専用の休憩室で阿部ちゃんがテーブルに突っ伏していた。

禍々しいオーラを感じる。実際、周りには誰も座っていなかった。


俺が声を掛けると、力なくこちらを向くが、アイドルモードとはまったく真逆の顔をしている。いつもはキラキラしてるし、気を遣って笑顔を見せるのに、そんな元気も尽きたらしい。

やつれた顔に、乱れた髪。目も若干血走っている。



🖤「そんな?」

💚「だって。翔太いない…」



しょっぴーが、オーストリアに旅立って、まだ1日も経っていない。

正確には半日とちょっと。しょっぴーは、SNSに笑顔の出発写真を上げた後、俺たちのグループLINEにも、ご機嫌な写真を載せて旅立って行った。海外は煩わしいことから逃れられるから、仕事とはいえ、楽しみなんだろう。


周りには頼りになるマネージャーも、旅慣れたスタッフさんも、現地には日本語が堪能なガイドさんもいる。

心配ないよ、と伝えてもそういうことじゃないと言う。



💚「俺が無理なの。俺が寂しいんだってば」

🖤「ハイハイ」



この2人は、結婚してから、いや正確にはみんなに交際をカミングアウトしてから、いつも離れず一緒にいるし、事件以来、しょっぴーが1人の時に誰かがボディガードみたいに付いてなきゃいけないので、正直言うとちょっと大変だ。


初めは親身になって相談事を聞いていたメンバーも、先日とうとう、康二の『あほらし!』というわかりやすい一言で適当に受け流すようになった。


阿部ちゃんがあまりにもしょっぴーのことばかり話すので、しょっぴーがみんなにごめんな、と謝って回る始末。

大好きなのはわかるけどこんなに甘々なのかとみんな口には出さないが、呆れている。


今回の旅先はヨーロッパだから時差も大きい。


そもそも時間帯が合わないし、向こうでのしょっぴーのスケジュールはまあまあタイトらしい。阿部ちゃんはたびたび時計を見てはもう◯時間△分×秒、声が聞けてないと嘆く。


いや、それぐらい我慢しろよ。



💚「だってさ、翔太可愛いからさ、現地で外国人にナンパされてさ、攫われちゃったりしてさ、そのままアラブに踊り子として売り飛ばされたりしたら俺どうしよう」

🖤「…………心配だね」



俺は何を言っても意味がないので笑顔で話を合わせていた。


すると、そこへ、これまた、たまたま会社を訪れたふっかさんが声を掛けてきた。



💜「おお、2人とも。奇遇だな」

🖤「ふっかさん、もうバトンタッチ。阿部ちゃんの話を聞いてやって?」

💜「そういや、阿部ちゃん、なべがインライやってんぞ」



ガバッッッッ!!!!!


生気をなくしていた顔に、血色がみるみる甦り、阿部ちゃんは意気揚々と裏アカからSNSにログインした。



💚「あーん、可愛いぃ〜♡ほら、見て見て!あっ!でも見ると減るから見ないで!!!」



見ているこっちが恥ずかしくなるくらいのフニャフニャぶりだ。


一番付き合いが長いはずのふっかさんですら、ドン引きしている。ちなみに俺は、しょっぴー関連では阿部ちゃんによく捕まるのでこういう阿部ちゃんに慣れていた。


スマホの画面に向かって、孤独にずっと喋りかけている阿部ちゃん。流石に大人しく見ているだけかなと思っていたら。



💚「大丈夫?攫われたりしない?周りに大人はいるのかな?」



ブツブツ言いながらコメントを入力し始めた。



💙『俺、大人だから(笑)』

💚「きゃん♡読まれちゃった♡♡」



もういい。

放っておこう。

俺とふっかさんは、同じ想いで頷き合った。


後で聞いてみたら、自分の公式アカウントで何度かコメントしたら、恥ずかしがり屋のしょっぴーに怒られたことがあるらしく、阿部ちゃんは裏アカを量産したらしい。実はTPOで使い分けている、とこっそり俺に教えてくれた。別に知りたくもない秘密を共有してしまった。



ですから、あなたがファンだと思っているアカウントも、もしかしたら俺たちメンバーの誰かが潜んでいるかもしれません……。









おわり。

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コメント

18

ユーザー

あべなべ最高。 阿部ちゃんおもろすぎ笑 インライ見れなくてマジ悔しい

ユーザー

わー!インライのコメント阿部ちゃんだったんだー💚💚💚(嘘だとは分かっています)かわいいなぁ阿部ちゃん( ु ›ω‹ ) ु♡

ユーザー

きゃ〜💖インライ観てたよ〜💦 大人だから!もあったよね! 本当に裏アカで入ってたらどうしよ〜💦 楽しすぎるわ〜🤣

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