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第63話 「再会は突然に」

時間は遡り、タクシーに乗ってしばらくすると、なぜか鞘佳は駅前でタクシーを降りて歩いていた。

夜風に当たれば楽になるはず、と思っていたが――

「やばい……頭さっきよりぐるぐるしてきた……」

結局、楽にはならなかった。

(こんなことなら、同窓会なんて行かなきゃよかった……考えてみれば3年のときのクラスの同窓会だし、うちのクラスメインだから呼ばれてる可能性だって元々低かったのに)

徐々に駅前から遠ざかり、明かりの数が減っていく。

(他のクラスのやつも呼んだっていうから期待してきたのに……なんでこんな……頭ぐるぐるに……)

それは鞘佳の自業自得なのだが――すでにそんなことを考えられる状態ではなかった。

(あ、無理かも……)

気が付くと電信柱に歩み寄って座り込み、身を預けていた。

(もー……動けない……)

もしかしてこれはもう夢なのでは、と錯覚して*********************

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