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𝕔𝕠𝕔𝕠
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ー逃げ道は君になった。ー
🩷佐野勇斗 攻
💛吉田仁人 受
🤍山中柔太朗
❤️曽野舜太
💙塩﨑太智
🩷「…仁人も、無理してんじゃない?」
💛「……え?」
先輩の言葉に、俺は黙り込んだ。
今までなら、ここで「何もないです」と
答えていたと思う。
でも――
どうしてだろう。
この人には、嘘をつきたくなかった。
もっと、この人に自分のことを
知ってほしい。
誰にも言えなかったことを、
聞いてほしい。
……この人になら、話せる。
そう思った。
いや――
この人に、話したい。
💛「……先輩」
🩷「ん?」
💛「……聞いて、くれますか?」
先輩は一瞬だけ目を丸くして、
それから優しく笑った。
🩷「もちろん。」
その一言を聞いて、
俺はゆっくり口を開いた。
💛「……クラスで、嫌がらせされてます」
🩷「……どんな?」
💛「教科書に落書きされたり、机に物を入れられたり……」
話していくうちに、
声がどんどん小さくなる。
💛「俺が何かしたわけじゃないのに……」
🩷「……誰に?」
💛「……同じクラスの人たちです」
先輩の表情から、笑顔が消えた。
🩷「……そいつら、名前は?」
💛「え?」
🩷「だから、誰なの?」
💛「……先輩、何するつもりですか」
🩷「ちょっと話すだけ」
💛「絶対それだけじゃないでしょ」
🩷「……バレた?笑」
💛「笑い事じゃないです」
先輩は少し黙った。
そして、俺の方を見て言った。
🩷「……俺さ、こういうの嫌いなんだよね」
💛「……」
🩷「自分より弱そうなやつ選んで、みんなで笑うの」
いつもの明るい声とは違っていた。
俺は少し怖くなった。
💛「……でも、先輩が関わったら余計に……」
🩷「大丈夫」
先輩はそう言って、
いつもの笑顔に戻った。
🩷「俺、こう見えて結構顔広いから」
💛「……そうなんですか?」
🩷「うん。知らなかった?」
💛「……はい」
🩷「そっかぁ」
先輩は少し得意げに笑った。
そして立ち上がる。
🩷「じゃあ、俺の名前もちゃんと覚えといて」
💛「……?」
🩷「佐野勇斗」
💛「…………え?」
思わず聞き返した。
💛「佐野……?」
🩷「うん」
💛「……佐野勇斗って……」
先輩は不思議そうに首を傾げる。
🩷「そうだけど?」
💛「……え、あの佐野勇斗?!」
🩷「どの佐野勇斗だよ笑」
俺は思わず先輩を見つめた。
佐野勇斗。
この学校で知らない人はいない。
誰とでも話せて、先生にも顔が利いて、
学年が違っても知り合いがいる。
「勇斗」とは聞いていたけど……
まさか、あの「佐野勇斗」だったなんて。
――まさか、昨日から屋上で
話していたこの人が。
俺は驚きを隠せなかった。
〜次の日〜
教室に入った俺は、
いつものように冷たい視線を感じる。
そして、
いつもの男子が仁人に近づいてくる。
👤「お!今日も屋上行くの?笑 授業サボる気だわコイツ〜笑」
💛「……」
そこに――
🩷「あ、いたいた!」
教室の後ろから勇斗が入ってくる。
💛「……先輩?」
🩷「おはよ、仁人!」
💛「……なんでここに?」
🩷「迎えに来た。」
💛「……え?」
🩷「昨日言ったじゃん。一人で無理すんなって。」
クラスがざわつきはじめた。
先輩って、
こんなにすごい人だったんだ……
俺は呆然としていた。
👤「え、佐野先輩じゃん」
👤「なんで一年の教室に?」
先輩は、本当に学校中で
知り渡っているんだ…
すると先輩は俺に向けていた
あの優しい眼差しではなく、
冷たい眼差しで、
嫌がらせをしているヤツらを見た。
🩷「……君たち?」
👤「……え?」
🩷「仁人に嫌がらせしてるの。」
空気が変わる。
でも勇斗は怒鳴らない。
ただ、笑顔のまま、
🩷「俺、こういうの嫌いなんだよね。」
と言った。
👤「ッ?!?!」
その瞬間、教室の空気が一気に変わった。
誰も何も言わなかった。
さっきまで笑っていた奴らも、
先輩から目を逸らしている。
先輩、すご。かっこいい。
こんなことしか考えられなかった。
🩷「先生にも話すから。」
そうクラスのヤツらに言うと、
先輩は俺の手を取ると、
そのまま教室を出た。
俺は手をギュッと握られたまま、
俺よりも速いスピードで、
階段を登って行った。
だから、頑張って着いていく。
屋上に着くと先輩は、
すぐに床に寝っ転がった。
🩷「ふぁ〜(あくび)疲れたぁ笑」
💛「…ありがとうこざいます」
🩷「笑笑 別にいいよ」
💛「……先輩」
🩷「ん?」
💛「……さっき、かっこよかったです。」
🩷「……え?」
先輩が一瞬、固まった。
💛「いつもの先輩と違って……」
俺は少しだけ先輩から目を逸らす。
💛「……なんか、かっこよかったです。」
🩷「……」
先輩は数秒黙ったあと、突然顔を覆った。
🩷「え、待って。仁人が俺のこと褒めた……?」
💛「……そんなに驚きます?」
🩷「だっていつも『無理です』とか『違います』とかしか言わないじゃん!」
💛「……そうでしたっけ。」
🩷「そうだよ!え、今日なんかあった?熱ある?」
💛「ないです笑」
🩷「そっかぁ……」
先輩は嬉しそうに笑った。
🩷「……ありがと。」
その笑顔を見て、俺も自然と笑った。
――この人といると、自然に笑える。
教室では、
あんなに息苦しかったのに。
ここに来ると、
少しだけ呼吸がしやすくなる。
そんなことを考えていると――
ガチャ。
屋上の扉が開いた。
💛「……?」
🩷「……あ。」
扉の向こうに、一人の男子が立っていた。
🤍「……勇斗。」
先輩の親しそうな声。
俺はその人を見た。
少し眠そうな目。
柔らかい雰囲気。
そして、先輩とは正反対の静かな空気。
🩷「……お前、なんでここに?」
🤍「……探してた。」
🩷「え、俺を?」
🤍「うん。」
その人は俺を見ると、
少しだけ首を傾げた。
🤍「……この子、誰?」
🩷「ああ、こいつは――」
先輩が俺を見る。
そして、少し嬉しそうに笑った。
🩷「俺の大事な後輩。吉田仁人。」
💛「……!」
その言葉に、胸が少しだけ熱くなった。
でも――
その人は、
なぜか少しだけ不満そうな顔をした。
🤍「……ふーん。」
🩷「何その顔笑」
🤍「別に。」
――このときの俺はまだ知らなかった。
この人が、これから俺たちの毎日に
関わってくることを。
そして――
俺と先輩の時間が、
少しずつ変わっていくことを。
コメント
1件
あおいです🌷 第3話、読ませていただきました! 勇斗先輩が教室に迎えに来てくれたシーン、すごく胸が熱くなりました。“一人で無理すんな”って言葉、仁人にとってはじめての“守られる”感覚だったんじゃないかな。屋上で「かっこよかったです」って素直に言えた仁人、すごく成長してる…! 最後に柔太朗くんが現れて、2人の関係に風が吹きそうな予感がして、続きが気になりすぎます🌙