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あの時聞いた、冷たい女の声が聞こえる。
「…またですか。」
今この瞬間を必死に整理する、そんなみぞれを蔑むような声色
「…どれほど▋▋▋▋…ですか?」
_肝心な場所にはやはり、そこだけが切り取られたような、ノイズが被せられたかのような気持ち悪さが伝わっていく。
「…呪いでしょう。」
女の声に反論しようとしても、肝心な言葉は一切口に出せない。
_そうしているうちに、感覚は段々とぼやけ、この空間に居られないと思い込む。
_そして、こちらを蔑む声はぼやけ、静寂に戻っていった_。
____
「…ん…」
目が覚める
いつも通りの寝室に、2階からであろういつも通りの喧騒
_体調は普通だ。
(_またこれ…)
「……夢、だったのかな。」
前と違い、記憶は残っている_そんな頭でみぞれは考える。
どうしても、夢とは思えない”夢”
「……」
「…考えても、仕方ないか_」
そう思い、ゆっくりと身体を起こし、朝ごはんを食べようとリビングに向かう
「おはようございます〜。」
リビングにはめめんともり、茶子、ぜんこぱすが居た。
今日の料理担当であるぜんこぱすの料理が綺麗に並べられている。
茶子はそれを手伝ったことを、どやぁといった様子で目を閉じながら笑顔になる。
続々と、ルカやガンマス、Latteやヒナなどがリビングに集まる
ヒナは目を輝かせ、おいしそう…と、思わず口にする。
「いただきます。」
全員が集まると、そう合掌して食べ始める。
「…?」
口にした瞬間、何かがおかしいことに気がつく。
味が、しない
箸を持っている感覚が薄い
_目が見えにくい。
___昨日見た炎から、目を逸らしたのだろう
(_何も、変わってない)
(何も、何も_)
昨日の悪夢は現実だったのだろうか?
何もかもがつかえて気持ち悪い
_手が微かに震える
動きを止めるみぞれに、メテヲが話しかける
「みぞれさん?大▋夫…?」
_そう言うメテヲの声すらも若干ぼやける
…それを聞いて、気がつく
「…ご、ごめんなさい、なんか最近ちょっとおかしくて…」
手に持ったままの箸を口から戻そうとした瞬間、箸は手からこぼれ落ち、その音が響く。
「…あ、ごめんなさ…」
しばらくの静寂がリビングに流れる
「料理、美味しくなかった…?」
ぜんこぱすが不安そうな目をして聞いてくる。
「そんなことないです!!!!」
みぞれはそれに強く反論する。
「ぜんさんの料理本当に美味しいんです_!」
「全部私の問題なんです…だから……!そんなこと言わないで……。」
今にも泣きそうな掠れ声でそう言い切る
みぞれは震える手で箸を拾い、すぐに食べるのを再開する。
(…みぞれさん…何かあったんですよね…)
明らかに取り乱すみぞれを見て、レイマリは察していた。
なにか大きなことを隠している。
「…めめさん、ちょっといいですか?」
レイマリは食べ終わると、同じく食べ終えているめめんともりの名前を呼び、自分の部屋へと向かった。
___
「…めめさん、みぞれさんについて、何か知らないんですか?」
「…少なくとも私は何も知らないです。」「…」 「…レイマリさんは何か知ってるんですか?」
「…知ってるって訳じゃないんです。」
「でも、明らかにおかしいことくらい分かります。」
「…どうしてこうなってるのか、一番メンバーをよく見ているめめさんなら、知ってるのかなぁって思ったんですけど…」
どちらも、深刻で悲しそうな目をしていた。
めめんともりは答える。
「…私としても、問題だとは思っているんです。」
そう言って、悔しそうに拳を作る。
「…けど、一向に話そうとしないのに…!聞けるわけないじゃないですか…。」
めめんともりは小さくため息をつく。
「…私は、そんなに強い人間じゃないですよ…。」
「みぞれさんが苦しんでいるなら、助けてあげたいですよ…。」
「…私、行ってきます。」
レイマリは立ち上がり、めめんともりに背を向ける。
「…みぞれさんが苦しんでいるところ、もう見たくないんです……!」
_これがなにかのゲームだったら、どれほど良かっただろうか
普段ゲームをする時のみぞれを見て、冤罪だなんだと笑い飛ばせればどれほど良かっただろうか
だが、それはもう叶わないのでは?
(…怖い、怖いよ、)
(神様…助けてよ…)
レイマリは心臓の鼓動がはっきり聞こえるなか、リビングに早足で向かっていた。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い
怖い怖い怖い怖い_____
もしみぞれが消えてしまったら?
悪い考えが頭をよぎる
助けて欲しかった。
嫌な予感から解放して欲しい。
そうして、リビングの扉を開け、恐怖で 目をつぶってしまう
嫌なものを見てしまうのではないか?
そう思いながら、ゆっくり、ゆっくりと目を開ける
「…大丈夫…ですか…」
みぞれは____
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