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「ただいま」
それに答える声はいつも通り聞こえないが一応言っている。
私の両親は共働きで妹がまだ小学生だ。年の離れた姉妹とよく言われる。
妹を学童から預かり夕飯のご飯を買いに行った。
「今日は何にしよっか。」
「オムライスがいい!」
「お、いいね」いつもはなんでもいいという妹が言ったのでとても驚いた。
卵売り場に行き値段が高いなと思いながらも手に取った。
「あれ見てお姉ちゃん 私がすきなお菓子ある 買って」
と言い走って行ってしまった。 バタン と大きな音。
私は急いで音の方に向かうと妹は誰かとぶつかってしまっていた。
「ごめんなさい。すいません。怪我はないですか。」と咄嗟に言った。
「全然大丈夫です。え、奈々ちゃんじゃん。この子、妹?」
「そうですけど、なんで成田さんがここに居るんですか。」
「俺一人暮らしなんよ。自炊してるんよ、一応。」成田さんは作り笑いのような顔をしていた。
それは気のせいなのか。
「そうなんだ。」
「なんさーい?」と妹に早速声をかけていた。
「ななさーい」
「おにいさんはね、奈々ちゃんと同じ学校なんだよ。」と楽しそうに言った。
「はいはい。ゆり行くよー」と手を繋ぎ
「また明日ねー奈々ちゃん」と馴れ馴れしく言われた。嬉しくもあり恥ずかしさでいっぱいだった。
今日親しくなったばかりなのに。ドキドキしたら負けや、と思いながら
「またね」
「おにいさんかっこいいね。」妹もスキップしながら家に帰った。
ご飯の支度をしていると両親が帰ってきた。珍しいな、2人で帰ってくるの、
「おかえり」
「ただいま」
そこから沈黙が続いたが
「いただきます」
「おいしいわ」と聞いて少し安心した。普段はあまり言わないので嬉しかった。
親の対応が少し変わったのは
私が自殺をしようとしたからだった