テラーノベル
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仕事の合間。
奈海はデスクに座りながら、少し疲れた表情をしていた。
「……疲れた?」
大我が声をかける。
「え?」
奈海が顔を上げる。
「ちょっとだけ。今日、やること多くて」
「そっか」
大我は奈海の机に置かれていた資料を見た。
「これ、俺が持っていこうか?」
「え、いいの?」
「うん。このくらいなら大丈夫」
「ありがとう、大我」
奈海が笑った。
その笑顔を見た瞬間。
大我の胸が、少しだけ高鳴った。
「……」
「大我?」
「え?」
「どうしたの?」
「いや……なんでもない」
大我は慌てて視線を逸らした。
――今の、なんだったんだろう。
ただ笑ってくれただけ。
それなのに。
妙に嬉しかった。
***
その日の仕事が終わり、7人で帰る準備をしていた。
「奈海、今日疲れてたじゃん」
慎太郎が奈海の荷物を持つ。
「え、いいよ。自分で持てるって」
「いいから」
「ありがと(笑)」
奈海が笑う。
「慎太郎、昔から奈海には甘いよな(笑)」
樹がからかう。
「別に普通だし!」
「はいはい(笑)」
みんなが笑う。
大我も一緒に笑った。
でも。
なぜか、胸の奥が少しだけざわついた。
奈海が慎太郎と楽しそうに話している。
ただ、それだけなのに。
――なんで、こんなに気になるんだろう。
「……俺、どうしたんだろ」
大我は小さく呟いた。
奈海はまだ笑っている。
その笑顔を見ていると、もっと見ていたくなる。
もっと近くにいたくなる。
そして。
ふと、気づいた。
――もしかして俺。
奈海のこと……。
「……」
大我は何も言わず、歩き出した。
まだ、その気持ちに名前をつけることはできなかった。
でも。
**大我の中でも、何かが始まりかけていた。**
コメント
3件
ゆきのさん、読了しました🌙 大我の気持ちが静かに動き始めた回ですね……「ただ笑ってくれただけ」って言い聞かせてるのに、慎太郎と奈海の話してる場面で胸がざわつくの、すごくわかりました。まだ名前をつけられない“何か”を抱えながら歩き出すラスト、すごく甘酸っぱくて何度も読んじゃいました。 続きも気になります、大我のこの気持ち、どこに向かっていくんだろう…
#きょもほく
雪村 麻耶🦇🩷 。🦅🖤
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モリモト .
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