テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
その瞬間、ぽつりと雨が落ちてきた。
⸻
「あ…」
⸻
気づいたときには、すでに強くなっていた。
⸻
「最悪」
⸻
彼が小さく呟く。
⸻
「走るぞ」
⸻
手を掴まれる。
⸻
そのまま走る。
⸻
息が上がる。
雨が強くなる。
⸻
「こっち」
⸻
連れて行かれたのは、見慣れないマンションだった。
⸻
「え…?」
⸻
「俺んち、近いから、雨宿り」
⸻
そのままエントランスに入る。
⸻
心臓が、別の意味でうるさくなる。
177
コメント
1件
わあ、この短いエピソードなのに、雨の冷たさと手の温かさが一瞬で蘇ってくるみたいでした。「最悪」って呟く彼の言葉と、いきなり掴まれた手。そして「別の意味でうるさくなる心臓」——もう、ここだけで胸がいっぱいになります。連れて行かれたのが「見慣れないマンション」ってのも、距離感の変化を感じさせてドキドキしました。続きが気になります!