⚡️side
デンジは二人の話が終わるとビームの方へと向かう。
足音で気が付いたのか、ビームはこちらを振り向く。
「ア、チェンソー様、」
「おー、ビーム。何話してたンだ?」
「エット、」
口を開いたり閉じたりするビーム。
そんな様子のビームを見て、デンジは肩を落とす。
「…言ってくれねーの?」
「!」
チェンソー様がガッカリしている!言わなきゃ!
そんな想いから口をやっと開いた。
「ス、スキな人の話してた!」
「は?」
デンジは頭を思いっきりぶん殴られた様な衝撃が走る。
ビームに好きな人が出来てしまったんだと。
「お前好きな人いンだ…」
誰?
どんな奴?
俺よりも良い奴?
俺は選んでくれねェの?
そんな疑問が次々と出てくる。
「ふーん…」
まさかビームに好きな人がいると思わなかった。
もっと早く告白すべきだったか…
いやでも俺は女が好き…
脳内では会議が繰り広げられている。
最近気が付いたらビームの事が好きだ、という頭になっている。
いい加減認めようか、認めまいか。
認めた方が楽かもしれない。
そんな事より、今はビームの好きな人の話だ。
一体誰なのだろう。
聞いても答えてくれない気がして、聞くのは辞めておいた。
「まぁ、頑張れよ。」
頑張ってなんか欲しくない。
どうせなら振られてこっちに戻って来てくれればいい。
そんな邪念を振り払おうと、デンジはじゃあな、とビームから離れる。
「待っ、待ってください!チェンソー様!」
後ろからビームの呼ぶ声。
ズボンを引っ張る手。
振り向くとビームは下半身だけ沈んでこちらを見上げていた。
「ンだよ、なんか用か?」
「エット、アノ、」
顔を赤らめて、ズボンを引っ張る手を少し強めた。
「オレのスキな人、デンジ様!デンジ様がスキ!」
デンジの目が見開かれる。
「…は、」
嘘だと思った。
だが、俺の事を真っ直ぐ見つめるビームを見て本当なんだと思えた。
「…マジ?」
「ハイ…」
でもまだ信じきれなくて、聞いてみたら頷きながら答えられる。
「ゴメンナサイ、デンジ様男嫌いなのにオレ男で、」
そうだ、コイツは男なんだ。
でも、自分の本心には抗えない。
でも、まだ。
「…悪ぃケド、まだ答えられねェ。」
自分がビームの事が好きだと、確信が付いてから。
そうしたら答えようと、デンジは思ったが―
―答えが出るのには、そんなに時間は掛からなそうだ。
コメント
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ごめんなさい…僕も今天国いる気が…天使が目の前に…
ビーム偉すぎて尊