ーーー数日後(桃の部屋)ーーー
桃「なっ……」
それから毎日写真は投函されていた。
でもそれは、事務所や外にいる時の写真だった。でも今見てるのは……
桃「家の……中っ…………うっ……」
俺は気分が悪くなり、トイレに駆け込み、何度も吐いた
桃「うぇっ…………なんで…………」
少し落ち着いたから、家の中にあるカメラを探した
桃「ない……この角度ならここにあるはずなのに……」
じゃぁ、どうやって……?俺の家に勝手に入ってきたのか……?鍵は…?壊れてないし……
なんなら今も見られて…………
桃「っ……気持ち悪いっ…」
引っ越した方が……いいか……?
でも今はそんな暇無い……
もう1回探そ……
桃「ないっ……回収したのか?」
ピロンッ……
桃「ビクッ……こ、青?」
ーーーLINEーーー
青)桃くん、どうしたの?今日集まりだよ?
桃)悪い、寝坊した。今から行く。
青)気をつけてね
ーーーーーーーーーーーー
ーーー事務所ーーー
桃「すまん!遅れた!」
赤「大丈夫?顔真っ青だよ?」
桃「え?」
青「確かに……本当に大丈夫なの?体調とか悪くないの?」
桃「大丈夫だよ。心配すんな……」フラッ
赤「うわ!」
青「危なっ!!」
黄「大丈夫ですか!?」
桃「ちょっとふらついただけ……大丈夫……」
寝てないし、吐いたせいで……
青「大丈夫じゃないでしょ!?」
桃「っ……本当に大丈夫」
黄「…………なら会議早めに終わらせましょう?そして早く帰ってゆっくり休んでください」
赤「送るからね」
桃「大丈夫だって、タクシーで帰るし」
赤「駄目!送る!」
青「なら僕も行く!」
桃「…会議しようぜ」
黄「はい……」
桃「終わった…………」
赤「桃ちゃん早く帰ろ!看病してあげる」
桃「いいって……」
青「駄目でしょ?メンバーが倒れそうな時はメンバーが支える!……家族でしょ?」
桃「っ………………」
赤「桃くんもさ、俺らが倒れたら面倒見てくれるし、心配するでしょ?」
桃「……な、なら……赤の家がいい…」
赤「うん、帰ろ。ゆっくり休も」
黄「…………」
ーーー赤の家ーーー
桃「………………」
赤「桃ちゃん……何かあったんでしょ?言って?」
桃「何も…ない」
青「嘘でしょ、あなた、震えてるんですけど?」
桃「震えてない」
赤「震えてる。どうしたの?何があったの?」
桃「…………」
黄「桃くん、赤の家に滞在しますか?心配なので1人にできません」
桃「だから大丈夫だって!!!」
赤「大丈夫じゃないから聞いてんの!!」
青「なんでそんなに言ってくれないの?」
桃「言ったら……お前達が危険な目に会うかもしれないから」
赤「は?」
桃「危険な目に合わせたくない……」
青「じゃぁ、桃くんはもう危険な目にあってるってこと?」
桃「………………」
赤「尚更言って、1人で危険な目にあうよりみんなであった方が危険率下がるでしょ?1人で戦おうとしないで?」
黄「なんなら僕たち揃ったら無敵なんですよ?」
青「そうだぞ!!無敵なんだぞ!」
桃「っ……でも」
赤「桃ちゃん言って?僕らは桃ちゃんが思ってるより弱くないよ」
桃「……」
黄「桃くん言ってください」
青「桃くん」
桃「……わかった……言う……」
黄「はい、ゆっくりで大丈夫です。話してください。」
桃「……俺…結構前から人につけられてるような気がしてて……」
青「ストーカー?」
桃「多分……でも何もしてこなかったからいいかなって思って……でも俺の家に封筒が投函されてて」
黄「……あの茶封筒ですか?」
桃「……コクン。黄来る前にも1回茶封筒が投函されてて、俺が写ってる写真がいっぱいあった。しかも事務所内の写真もあった」
青「事務所内って……」
赤「スタッフってこと!?」
桃「分からない…それから黄が来た日、投函された音が聞こえたからもしかしたら今出たら捕まえられるかもって思って勢いよく出たんだが……」
黄「僕にぶつかりました。痛かったです」
桃「……ごめん」
青「捕まえようとしたの!?危な!!」
桃「もしかしたら黄が会ってたら黄が危ない目に合うかもしれなかったって思ったら…なかなか言えなくて……」
赤「そっか……ありがとう言ってくれて」
青「他はないの?」
桃「今日の朝…出かける前に、また茶封筒があった。見たら部屋の中も盗撮されてて……」
赤「はぁ!!!?」
桃「部屋中探してみたんだけど、カメラなくて……気持ち悪くなって吐いた……吐いて少し落ち着いた時に青からLINEきて」
青「……だからあんなに青白い顔してたんだ」
桃「ごめん……心配かけた……」
赤「謝らなくていいよ。桃ちゃん悪くないじゃん!」
黄「でも犯人がスタッフの人達として……撮ってるのってバレるんじゃ……」
青「確かに…みんなで警戒してみよ」
赤「そうだね。桃ちゃんは1人にならない事、できるだけね」
桃「分かった……」
青「桃くん、よく耐えたね。大丈夫だよ、僕たちが絶対守るからね!」
桃「……情けねぇな……俺…お前らより歳上なのに」
黄「歳の差なんて関係ありません。家族が危険な目にあってるんです。助けて守って当然です」
桃「……ありがとう」
赤「とりあえず桃ちゃんの家は危険だからもどるのやめとこっか」
桃「……いや戻るよ。」
青「え?なんで!?」
桃「赤の家も本当は行きたくなかった。赤の家まで特定されたら嫌だろ?だから俺は家にもどる」
赤「桃ちゃん……」
黄「なら桃くんの家にかわりばんこでお泊まりするのはどうですか?」
桃「それも危なくないか?」
青「一人でいるよりはマシでしょ?あと安心もできるでしょ?あなた何日寝てないの?」
桃「……ここ一週間ぐらい……」
赤「やば!もう今寝ちゃいなよ!」
カタンッ
桃「ビクッ……え?」
青「……まさか」
桃「なんでっ……ここ赤の家なのにっ……」
赤「大丈夫、桃ちゃん落ち着いて!!」
黄「取ってきます」
桃「り、赤っ……ごめんっ……俺っ……」
赤「桃ちゃん大丈夫!!」
桃「俺…帰るっ……」
赤「駄目だよ!今でちゃ危険でしょ!?」
青「そ、そうだよ!会っちゃうかもしれないじゃん!」
桃「で、でもっ…赤家バレたっ……ごめんっ……ごめんなさいっ……ごめんなさいっ……」
赤「桃ちゃん落ち着いてっ!」
黄「撮ってきました。中身は桃くんの写真です。」
桃「ヒッ……ごめんなさいっ……ごめんなさいっ……」
青「ちょっと見せて!!」
黄「…………」
青「本当に……事務所内……僕達全員写ってるやつもある……」
桃「ヒュッ……ハッ…ヒュッ……」
赤「桃ちゃん大丈夫。ちゃんとゆっくり息吸おうね」
桃「赤っ……赤っ……」
赤「うん、大丈夫大丈夫。みんないるよ。1人じゃないよ。大丈夫大丈夫。」
桃「ヒュッ……ハァッ……ハァッ……」
赤「ん、ゆっくりで大丈夫。ゆっくりね」
桃「スッ……ハァッ……スー……ハァッ……」
赤「ん、落ち着いてきたね。」ナデナデ
黄「………………」
青「大丈夫……?」
桃「おち……ついた」
黄「良かった」
赤「桃くん、もう寝ちゃいな?疲れたでしょ?」
桃「っ…やだ…」
赤「なんで?」
桃「………………」
青「言ってくれないとわかんないよ?」
桃「入ってくるかも……しれないじゃん……」
黄「……大丈夫です。僕ら3人もいるんですよ?こんな状態で入ってくる人は馬鹿です」
青「確かに、3対1だもん。大丈夫だよ」
赤「ほら大丈夫!ね?寝ようよ」
桃「……ん…」
青「僕達ずっとそばにいるからね」
目が眠たすぎてトロトロだ。
桃「青っ…て……」
青「手?」
桃「んっ……」ギュッ
(青と手を繋ぐ)
青「おやすみ」
桃「赤……」
赤「大丈夫、ずっとそばにいるから」
桃「………………スー……スー……」
青「やっと寝たね」
黄「怖かったでしょうからね……」
赤「俺だったらみんなにすぐに言っちゃうもん怖いって……」
青「僕達もっとしっかりしないとね……桃くんがもっと気軽に頼れるように」
赤「そうだね……」
桃「スー……スー……」
黄「1人で解決しようとしちゃいますもんね…」
青「桃くん大体のことは1人でできちゃうもんね」
赤「昔から変わんないよ…頼んないとダメだぞ!!」
(軽く桃のおでこをペチッと叩く)
桃「んっ……スー……」
青「クフフッ…少し眉間にシワよった」
赤「安心して寝れてるようで良かった」
青「僕達動けないけどね」
赤「確かにww」
黄「……大丈夫ですか?」
赤「大丈夫大丈夫!桃ちゃんを安心させる為ならこんなの苦じゃないし」
青「トイレしたくなったらどうすんの?」
赤「え?」
青「動けないよ?」
赤「それは……叩き起すよ」
青「うわww」
赤「嫌だよ、漏らしたくないww」
黄「汚い話ししないでください」
赤「ごめんってw」
ーーー次の日ーーー
桃「ん…………」
赤「あ、起きた?」
桃「……ん、ここ……」
赤「俺ん家だよ」
桃「……あ、そか」
赤「思い出した?」
桃「ん……」
赤「よく寝れた?」
桃「ん、スッキリしてる」
赤「それは良かった」
桃「青達は?」
赤「買い物行ってる」
桃「かいもの?」
赤「俺ん家なんもなくてさww買いに行かせてるw」
桃「なんもないってwお前らしいな」
赤「えぇ?どうゆう意味?」
桃「なんでもない」
赤「もうすぐ帰ってくるよ」
ガチャッ
赤「ほら」
青「疲れたー!てか重いっ!!」
黄「そんぐらい持ってくださいよ!」
桃「おかえり」
青「あ!起きたんだ!おはよー!」
黄「おはようございます!」
桃「おはよ」
赤「食パン買ってきた?」
青「買ってきたよ!」
桃「俺も手伝う」
赤「いいよいいよ、座ってて。食パン焼くだけだし」
青「朝の食パン久しぶりなんだけどー!」
赤「確かに、卵とか焼いちゃう?」
黄「買ってませんよ。卵」
赤「終わったw」
青「なんで卵もないんだよー!ゆで卵食べてるって言ってたじゃん!」
赤「ちょうどなかったの!」
黄「桃くん大丈夫ですか?体調とか」
桃「ん?うん、久しぶりにちゃんと寝れたから、だいぶ良くなったよ」
黄「でもまだ顔色悪いです。無理しないでくださいね?」
桃「ありがとう。黄」
黄「ちゃんと頼ってください。」
桃「ん、分かった」
黄「本当にわかってますか?」
桃「分かってるよ、3人とも頼もしくなったな……最初の頃より」
黄「そりゃそうですよ。もう大人です。」
桃「そっかぁ……大人かぁ……」
黄「なんですか」
桃「ちょっと寂しいなぁって」
黄「なんですかそれw」
桃「こう、俺に対して大人だぁって、反応してたじゃん?お前ら」
黄「まぁ確かに5歳上だと感じるところ沢山ありましたね」
桃「それが少し嬉しかったんだよね。それが無くなるのかぁって思うとさ」
黄「僕は桃くんの事を目標にしてますよ?なんなら最近、エゴサすると黄くん、桃くんエキス超吸ってね?みたいなコメントありました」
桃「ははっ、なにそれw」
黄「ライブに行くと桃くんエキスが出るみたいです、僕」
桃「んー?まぁ、確かに?」
黄「分かってないでしょw」
桃「なんだよ桃エキスってwわからんわ」
黄「そんだけ僕は桃くんに憧れてるって事です。真似するほどに」
桃「黄は黄のいいところいっぱいあるのに。俺2人になっちまうよw」
黄「双子コーデでもします?」
桃「やってみるか?ライブで」
黄「ライブはちょっと、恥ずかしいですねw」
赤「できたよー!」
青「何話してんの?」
桃「黄と双子コーデしようかーって」
青「なにそれ、きも」
桃「は?可愛いだろ」
赤「青ちゃん、俺とする?」
青「えー、やだぁ!だったら桃くんとがいい!」
赤「はぁ!?なんでだよっ!」
青「絶対可愛系になるじゃん!それは黄くんとやりなよ!」
桃「かっこいい双子コーデってなんなんだ?」
青「分かんないけど……」
赤「もう!いいよ!食べよ!冷めちゃう!」
桃「ありがと、赤」
赤「いぇいぇ!いただきまーす!」
この3人のおかげでだいぶ心が軽くなった。
恐怖心はまだ消えてないけど、こいつらがいれば大丈夫って思った。やっぱり仲間、家族っていいなって思った。