テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
3,207
「…はぁ、」
「キヨとも喧嘩しちまった」
独り言のように小さく呟く。
そして深くは考えずにこーすけに連絡をしてみた。
『なあこーすけ』
(ん?)
やっぱりこいつは既読が早かった。
『俺、キヨと喧嘩しちまったよ』
(まじ?やっぱヒラのことで?)
『うんそう』
(俺ん家くる?)
(ヒラも今日泊まるしみんなでゲームしようぜ)
その言葉で、こーすけの家にヒラがいることを思い出した。
あー、今日の俺はだめだ。
『あ、そっか今ヒラいるんだけっけ』
『すまんな、連絡しちまって』
(平気平気)
俺は少し考えてから、そっちに合流することにした。
『俺もそっち行っていい?』
(来い来い)
『今夜はキヨの悪口大会になるな』
(とことん盛り上がろうか)
外はもう雨はやみ、晴れて澄んだ星空が見えていた。
再びこーすけの家のチャイムを押す。
ガチャリとドアが開く。
「へいらっしゃーい」
「おじゃましまーす」
リビングに歩み進めると、ヒラの姿が見えた。
「ん?あ!フジ!」
俺がヒラに挨拶をする前に、彼から先に話しかけてきた。
「よ、ヒラ」
「…大丈夫か?」
ヒラのことがずっと心配だった。
「今はだいぶ」
ただ、こーすけにメンケアされたことがひと目でわかる。
「…キヨは?」
ヒラは俺から目を逸らして呟く。
「…俺もキヨと喧嘩しちゃってよ」
「…そっか」
しばらく気まづい空気が流れた。
「まあ、とりあえずゲームするか!」
その気まづい空気と合わない明るい元気なこーすけの声が響いた。
もう気にしない。遊んでしまえ。
「やろうぜー!!!!」
「続き続き!」
俺はすることもなく、ただベットに寝っ転がってインスタを見ていた。
「…ん?」
「あいつのストーリー更新されてる」
珍しくフジのストーリーが更新されていた。
【3人でオールゲーム!】
「…は、」
上の文字を見た瞬間声を漏らした。
「風呂はいろ」
スマホを閉じ、見なかったことにする。
「このまま疎遠になったりすんのかな」
湯船に浸かっている途中にふと考えてしまった。
「いやいや、明日になったら戻ってるだろ」
顔に無理やり笑顔を貼り付けて気にしないようにした。
風呂から上がり、あとは寝るだけになり
またベットの上でだらける。
「今頃俺の悪口で盛り上がってんのかな」
そんな考えが浮かんだ瞬間、目から頬にかけて涙が伝うのがわかった。
「…久しぶに泣いたな笑」
「…もうどうしたら…泣」
どうしたもこうしたもない。
謝ればよかったんだ。
でもそれは、俺のプライドが許せなかった。
気づけば目を閉じ、眠りに落ちていた。
玄関のチャイムの音で目を覚ます。
「…ん」
「誰だよこんな朝に」
少しイラッとしながら玄関に向かった。
「はーい」
ドアを開けると、3人が立っている。
「キヨ」
最初に俺の名前を呼んだのはヒラだった。
「…みんなっ」
「…ヒラ!」
「ごめん…俺…泣」
「フジも…こーすけも…」
「俺…自己中で…泣」
謝った。謝ったけど、みんな俺だけをじっと見つめて話そうとしない。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!