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マイナーcp書いてる人ですこんにちは。
文才なんかありません。
案の定駄文。駄文。
cpはどこかに記載してます。
主はにわかです。解釈違いがあると思います。
※ご本人様には関係ありません。
「あれ、珍しいですね」
恋人と過ごす昼下がり。ふと彼が鞄の中から取り出したものに、つい声をあげる。
『ん?ああ、これね』
夢追さんはそれを持つ手を確認するように軽く上げると、ふわりと微笑んだ。
『この前、事務所でオリバーと神ちゃん…あ、神田くんね?…に会ったときに貰ったんだよね。唇ガサガサすぎとかいう理由で』
「あー、最近結構乾燥してましたもんね」
『あ、やっぱりしっきーもそう思ってたんだ』
改めて夢追さんの持っているものに目を向ける。それは手のひらに収まる程の大きさをしたチューブタイプのリップだった。落ち着いた色合いのそれは見覚えのあるメーカーのもので、確かそこそこの値段がしたような…。
と、そこまで考えて、ふと気づいた。
(他の男からの贈り物…??いや、は?無理)
違和感と嫉妬心が喉につっかえて、考えていることを悟られぬように、嬉しそうに微笑む夢追さんの方を見遣った。
「良かったですね、貰えて。塗るんですか?」
『そー、今急に思い出しちゃって』
夢追さんは軽い音を立てながらリップを開けると、軽くチューブを押しながら唇にクリー厶を塗っていく。 その姿がやけに色っぽく映るものだから、思わず釘付けになってしまい、ただ夢追さんを見つめる。
乾燥しがちな彼の唇が潤っていき、普段よりもずっと血色が良く見える。というか、やっぱり顔がいいなこの人。彼に今度メイクでもさせてみたら、きっと芸能人顔負けの美人ができあがるんだろう。
(………やっぱり、嫌かもな)
夢追さんから目を逸らし、自分の手元を見つめた。
面倒なのも、重いのも自覚してはいるが、やはり気に食わない。私に言ってくれれば、もっと夢追さんに合うものを探し出してくるというのに。
そもそも、恋人の前で他の男の名前を出さないでほしい。自分で買ったと嘘をついて欲しい。
いや、誠実な彼のことだから、恋人である私に嘘はつけないだろうし、きっと浮気もしない。それでも、貴方の周りの人間に嫉妬してしまうのはどうしてもやめられないから。
だから。
『あ、やべ、』
隣から聞こえてきたその声にハッとして意識が引き戻される。自分が 無意識に唇を噛み締めていた事に、今ようやく気がついた。
頭を軽く振って、先程までの思考をどうにか霧散させる。 考えたってしょうがないことを、延々考え続けて病むのは自分の悪い癖だというのに。中々治らないそれに思わず苦笑した。
『しっきー、ちょっとこっち向いて』
夢追さんの呼びかけに素直に顔をあげる。そういえば、何か声を上げていたがどうしたのだろう、と。
ぱっと夢追さんの方を見ると、何かありましたか、と声をかけようとして。
両の頬に手を添えられる。
え、と困惑していれば、段々と夢追さんの顔が近づいてきて、ちゅ、と柔らかい唇が私の唇に触れた。
なんだ急に、何が起きてるんだこれは。クエスチョンマークで埋めつくされる私の脳内を気にもとめず、夢追さんは短いキスを少し角度を変えながら何度も繰り返す。
そうして数分だった頃、ようやく満足したのか、私の頬から手を離した。
「…..え、あの、な、何です、か?」
『あはは、急にごめんね?』
顔を赤くする私に、夢追さんはくすくす笑うと、とんと自分の唇に人差し指を当てた。
『リップ、塗りすぎちゃったから、しっきーにお裾分け』
そう言って、目を細めて笑ってみせる。
「…..あーもぉぉ!!何ですかそれ可愛いなぁ!!!」
『あっはははは!!』
心からの叫びを返せば、夢追さんはからからと溌剌な笑い声を上げた。
ずるい。本当にずるい。こういうところが彼を人たらしと呼ばせるんだ。一体彼の言動にどれくらいの人間が堕とされたことか。
一人悶える私を見て、夢追さんはさらに笑っていた。
『…ごめんね、しっきー』
一頻り大笑いした夢追さんが、唐突に謝罪を口にする。またしても困惑しそうになれば、彼が困ったように眉を下げて続けた。
『僕、つい浮かれちゃっててさ。恋人のしっきーからしたら、あんまり嬉しい話題じゃないよなーって。だから、ごめん』
つい、無言で彼を見つめてしまった。
見つめてから、少し笑った。
「別に、気にしてませんよ」
『ほんと?嘘じゃない?恋人の前で他の奴の話しやがってとか思ってない??』
「そぉ、れは…..ちょっとだけ」
『やっぱり』
でも、とまだ言葉を続けそうな彼を遮って口にする。
「やっぱり夢追さんは浮気も目移りもしないな、って思ったので、大丈夫です」
ぽかん、というような顔をした夢追さんに、今度は私からキスをした。
あざとく、べ、と舌を出して見せれば、夢追さんの顔がじわじわと赤くなっていく。それが面白くてくすくす笑うと、もう!と夢追さんが声を上げた。
『かっこいい大人出来たと思ったのにぃ!!』
わーと叫びながらのたうち回る夢追さんに、十分かっこよかったですよ、と胸の中で一人呟いた。
きっと、このことはまだ言わなくていいな。
少し潤った唇をそっと撫でながら、頬を緩める。そんな午後のひととき。
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