2話書いてみます!
やっぱり拙いのはお許しください…
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…私はどうなったのかな。
あの子には悪い事しちゃった。トラウマになってないといいけど。
あの犯人捕まったかな?私以外に被害が出てないといいな。
なんて、今考えて無駄か。
私は開けられない瞼の下、意識だけ回復していた。
病院だといいな、という願いを頭の中に浮かべながら他の事を考える。
そんな事を考えている間、ゆらゆらと何処かに運ばれていく感覚がある。水によって流されているような感じ。
そんな感覚に、私は何処か心地よさを感じていた。
しばらく時間が経った頃。開けていない瞼の向こうに光がある気がした。
私は眩しい光に思わず瞼を上げる。
「…ん…ふわぁ…」
開いた双眸で今いる部屋を確認する。そして思う、私病院だといいな、という願いは叶わなかった。
夢だと思い二度寝しようとするが、
「お嬢様!?」
という悲痛そうな声が耳元で聞こえて、二度寝も難しいと思った。
メイド服を着た、16歳程の女の子が目尻に涙をためながらこちらを見ている。さっきの声は多分この人だ。
私は状況を上手く飲み込めないまま、もう一度口を開く。
「此処、は…?」
「お嬢様…やっぱり混乱しているのですね。
此処はアルティス公爵家です。」
…冗談だと思いたかった。
でも、今話している体が私の体ではない事は確実。
何故なら顔立ちは同じでも色彩が全く違うから。目の前の鏡が映している人物は前世の私と似ている、というか瓜二つ。でも、瞳の色や髪色といった色彩は違う。
少しずつ情報が頭の中に入ってくる。
どうやら此処はアルティス公爵家という場所で私はそこのお嬢様らしい。
それ以外はわからないけど、明らかに私は転生というものをしている。まさか本当にあるとは思わなかった。
そして物語の中だけにして欲しかった。自分が転生なんて夢みたいなものに遭ってみないとこの気持ちはわからない。
そんな気持ちが悶々と溜まっていく。でも結局は、起きてしまった事は仕方ない、という結論に落ち着く。
私は転生という事実を一旦認め、自分がこれから生きていく中で必要な情報を得る事にした。
「ねぇ、私色々と思い出せないのよ。
もしよかったら教えてくれないかしら?」
「分かりました。
まず此処はアルティス公爵家。ティル王国の筆頭公爵家です。
お嬢様はアルティス家の一人娘で、名前をマリン・ライト・アルティスと言います。
私はお嬢様付きの侍女でルリ・コイズと申します。」
メイドさん、もといルリさんは微笑みながらすらすらと説明してくれた。
なるほど、私の名前はマリンって言うのね。そしてお嬢様口調で何も言われなかったのだから元の体の持ち主はお嬢様口調だったと。
色々飲み込めてきた。
「ありがとう、少し一人にしてくれないかしら?
色々と考えたいのよ。」
「かしこまりました。落ち着かれたらこのベルでお呼びください。
お休みになられても大丈夫ですので。」
ルリさんが頭を下げ、部屋から出ていく。
ふぅ…やっと一人になれた。私はポフンとベットの上に倒れる。
横を向くと、窓の外は黒の絵の具をこぼしたように真っ暗だった。その上にラメを振りまいたように星が輝いている。それは綺麗なのに孤独を感じさせる。
本当に別の世界に来ちゃったんだなぁ…、とぼんやりする頭で考える。
冷たさと熱さが同時に襲ってくる死ぬ時とは違い温かい布団の中は、私にとって安心できるものだったみたいですぐに眠りに落ちた。
また明日、色々と考えよう、と思った。
問題を先送りしているよう、いや実際にしているのだけれど。それでもこの体は睡眠を求めているようだった。
先程もベットの上に横になっていたが、それは気絶していたらしい。
だから睡眠不足のようになっていた。
そうして眠った後、次に起きるのが昼間になるとはこの時の私は考えていなかった。
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