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#鬱展開
Mist-404
2,108
すとぷりのるぅと大好き
24
Scene.1:休日の朝、それぞれの静寂…のはず
秋晴れの心地よい日曜日。
東京都内のとある一軒家、東言の部屋。
本来なら、休日言は午前中を自分の勉強や
読書、あるいは動画の編集に充てて、
静かに過ごすはずだった。
しかし、その平穏は午前10時すぎ、
突如として鳴り響いたインターホンに
よって無残にも打ち砕かれた。
ピンポーーーン、ピンポーーーン……。
言「……は? こんな朝早くから誰……?」
ベッドの上で目をこすりながら、
言は不機嫌そうにスマホの時計を確認する。
まだ10時15分。休日としては十分に
早い時間だ。
再び、ピンポーーーン、
と催促するようにチャイムが鳴る。
言「だから、誰……って、まさか……」
嫌な予感を覚えながら言が玄関の
ドアスコープを覗くと、そこには
画面いっぱいに広がる、
見慣れたボサボサの頭があった。
問「……あれ、言、起きてる? 開けて〜、
鍵閉まってる〜」
言(なんで日曜日の朝からこの人は
僕の家にいるわけ!?)
ガチャと乱暴に鍵を開けてドアを引っ張ると、
そこにはすでにマイペース全開の
笑顔を浮かべた問が立っていた。
手には、なぜか近所のコンビニの袋が
ぶら下がっている。
言「……あのさあ、兄ちゃん。
今日は日曜日で、僕が丸一日完全にオフの日
だって昨日言ったよね?
何で人の家に朝からいるの?」
問「え? だって言、
日曜日はいつも家でパスタ作るって
言ってたから、ちょうどいいなと思って」
言「思ってない! 勝手に人の家のルーティン
に相乗りしないでよ! ていうか、
自分の家はどうしたの!」
問「うーん、なんか一人だと静かすぎて
寂しいから、言の家に遊びに来ちゃった」
言「ペットか!
僕は寂しがり屋の大型犬を飼ってる覚えは
ありません!」
Scene.2:言の休日ルーティン、強制崩壊
結局、追い返すに追い返せず、
言は渋々問をリビングに入れ入れた。
言「上がるなら勝手だけど、
絶対に邪魔しないでよね。
僕はこれから録り溜めた資料の整理と、
来週のクイズの勉強があるんだから」
問「はーい。じゃあ僕は言の邪魔を
しないように、そこでおとなしく……」
そう言って問が陣取ったのは、
言の勉強机のすぐ横にあるソファ。
……思いっきり視界に入る位置である。
言はため息をつきながらデスクに向かい、
ノートパソコンを開いてペンを走らせた。
トクトクと、静かに時間が流れる
はずだった。
問「ねえ、言」
言「……なに。今集中してるんだけど」
問「この問題の解説、言ならどう解く?
ちょっと難しくない?」
ちらりと横を見ると、
問は言の参考書を勝手に引っ張り出して、
首をかしげている。
言「……それ、
昨日僕が解き方教えたやつでしょ!
もう忘れたの!?」
問「えへへ、ド忘れしちゃってさぁ。
ほら、言先生、優しく教えて?」
言「先生じゃない! ……まったく、
これだから問ちゃんは……」
文句を言いながらも、言はペンを置き、
問の隣に座って参考書を覗き込む。
問の近くから漂ってくる柔軟剤の匂いに、
言は少しだけ眉をひそめつつも、
結局分かりやすく丁寧に解説を始めてしまう。
問「さす言! 解像度高すぎて惚れそう」
言「聞き慣れないセリフでごまかさないの!」
Scene.3:休日の特製パスタと、優しさ
気がつくと、 時計の針はあっという間に
12時半を回っていた。
言「……のんびり勉強するはずが、
なんで僕が午前中丸々兄ちゃんの質問に
付き合わされてるわけ……」
ぐう〜、と絶妙なタイミングで
問のお腹が盛大に鳴り響いた。
問は恥ずかしそうに自分のお腹を押さえて、
ふにゃっと笑う。
問「……お腹すいちゃった。
言のパスタ、食べたいなぁ」
言「……ほんと、タイミング良すぎでしょ。
冷蔵庫にあるもので作るから、
そこに座って大人しく待ってて」
キッチンに立った言は、
手際よくフライパンにオリーブオイルを熱し、
ニンニクとベーコンを炒め始める。
ジュワッと広がる香ばしい匂いに、
リビングで待つ問はすっかり
リラックスモードだ。
しばらくして、言特製のアマトリチャーナが
綺麗に皿に盛られてテーブルに運ばれた。
問「わあ……! 美味しそう!
さすが僕の弟!」
言「僕の料理の腕前を免罪符にしないで!」
二人で並んで席につき、
「いただきます」
をして口に運ぶ。
ピリッとしたトマトの酸味とチーズのコクが
絶妙で、問は目を輝かせた。
問「ん〜! 美味しい! これお店の味だよ、
言、天才じゃない?」
言「……うるさい。黙って食べなさい」
口ではぶっきらぼうに返しつつも、
言は問が美味しそうに食べている姿を見て、
心のどこかで
(まあ、たまにはこういう休日も
悪くないか……)なんて思っていたりする。
夕方になり、そろそろ問が自分の
アパートへ帰る時間。
玄関先で、言は自分のバッグから、
昨日大量に作り置きしておいた
おかずのタッパーを取り出し、
問の手に無理やり押し付けた。
言「ほら、これ持って行って。
どうせ夜もまともなもの食べないんでしょ」
問「えっ、言の手作りおかず!?
わあ、やったぁ! やっぱり言は
世界一優しい弟だなぁ!」
言「優しくない! これはただの食育だから!
……あと、来週の撮影までは勝手に
僕の家に押しかけてこないこと!」
問「はーい、じゃあまた明日ね、言」
バタン、とドアが閉まる。
一人になった静かな部屋で、
言はふうと息をつきながら、
自分の頬が少し緩んでいることに
気づいて慌てて頭を振った。
言「……もう! 本当に、問 のお世話なんて、
今日で最後にしてやるんだから!」
口ではそう言いながらも、 言のスマホには、
すでに数分後
「美味しかった!ありがとう言!」 という
問からメッセージが届いているのだった。
コメント
1件
蘭苑さん、第4話読みました! もう、言くんのツンデレっぷりが最高でしたね〜。「邪魔しないで」って言いながら結局勉強教えて、パスタ作って、おかずまで持たせるお世話っぷり…。問くんに「世界一優しい弟」って言われて照れる姿が目に浮かびます(笑)。最後の「今日で最後にしてやる!」直後の「美味しかった」メッセージがまた憎いですよね。兄弟のほのぼの感がお見事でした🤍