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「とりあえず3人集まったけど・・・どうする?このまま救助が来るまでここにいるの?」
「ですね。あの怪物に襲われるのは流石にもう精神的に持ちそうにないので・・・」
「でも、ここにいても襲われる気がしなくもないけど・・・」
「怖いこと言わないでください・・・」
カナとシズハの話し合いは進む。私は2人の話を聴きながら、窓の外を見ていた。どういう訳か、沈没はかなり遅いらしく、完全に沈むまで2、3時間はある。救助が来てくれさえすれば「ゲーム」の勝者は私達だ。
だけど。
バン!バン!と、ドアを勢いよく叩く音が聞こえた。2人とも悲鳴を抑えつつ、それぞれ安全そうな場所へ隠れた。私はベッドの下へ潜り込んだ。
扉が破られた。さっきはよく見ている暇は無かったが、今見てみると、足に茶黒い物体が付いているのに気づいた。そのせいなのか、コイツが歩く時はベチャベチャという音がする。
ふと、この部屋の前をおじいさんが通りかかった。怪物はそれを見ると、走っておじいさんを追いかけて行ってしまった。影になって見えにくかったが、おじいさんの悲鳴と血飛沫が飛んできたことから、殺されたのは明らかだ。
・・・しばらくして、怪物が去っていった。シズハはすぐに遺体を調べると、コーンスープ缶を4つ持ってきた。
「あのおじさん、電力が止まったのをいい事に自販機から飲料を盗もうとしてたみたいです。まぁ、今の状況では食料も大切ですしね。一応、船は沈没し始めてるみたいですし。」
私は違和感を覚えた。シズハがいくらなんでも冷静すぎる。救助隊が来るとしても、仮にも沈没している最中。ましてや船内を化け物が徘徊している。どうしてこの状況下でこんなに冷静にしていられるのだろうか。今の状況じゃ、どうでもいいか。